「彼女の周りには人がいない。独身で家族もなく、40年来の親友は、自分への贈賄容疑で被告の身。孤立している。哀れでかわいそうだ」(辺真一コリア・レポート編集長)

3月10日、朴槿恵・韓国大統領(65)が罷免された。憲法裁判所8人の裁判官、全員一致の決定だった。

韓国の歴代大統領は“血塗られた歴史”と言われてきた。退任後にいずれも悲惨な運命をたどったからだ。だが朴前大統領について、ジャーナリストの高英起氏はさらに過酷な運命が待つという。

「冷静に考えると、退任後に断罪された歴代大統領たちも、例えば息子が罪に問われた金大中は悠々自適。金泳山もそうでした。逮捕された全斗煥、盧泰愚も最後は恩赦で許されています。しかし朴前大統領は罷免され、単なる一般人になりました。任期を全うし、最後は許された歴代大統領たちと決して同じではありません」

コリア・リポート編集長の辺真一氏もこう言う。

「彼女の今後は2つしかありません。ひとつは、塀の中に入ること。もうひとつは、温情で在宅起訴になることです。どちらにしても有罪は免れません。朴氏がそれを“生き恥”と考えたら、かつての盧武鉉・元大統領のような悲劇的な結末を迎えるのではと私は恐れます。本当に、彼女はいま孤独なのです」

08年まで大統領の座にあった盧武鉉氏は、退任後に不正疑惑で側近や実兄が次々と逮捕された。元大統領自身の逮捕も噂されるなか、09年に盧氏は自殺。元大統領の自殺に韓国社会は衝撃を受けた。

大統領職を追われた65歳の朴氏が、現在それ以上の絶望に瀕しているだろうことは容易に想像がつく。

公職にも5年間は就くことができない。惨めな引退生活に、彼女は耐えられるのか――。