世界の国々には、その国ならではの独特の料理が存在するが、中国メディアの捜狐は10日、日本人はなぜこれほどまでに「生食」を好むのかというテーマについて論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 世界の国々には、その国ならではの独特の料理が存在するが、中国メディアの捜狐は10日、日本人はなぜこれほどまでに「生食」を好むのかというテーマについて論じる記事を掲載した。

 記事は、日本は四方を海に囲まれており、漁業も発達した国であるため、海産物は自然と日本人の食生活における重要な一部分となったと説明。一方で、日本の魚料理の代表的なものの1つであるお刺身は魚の身を切っただけの「非常に原生状態の食事」であるとし、このような料理は他の国においては非常に少ないものだと論じた。

 日本人がお刺身を好んで食べる理由について、日本は資源に乏しい国家であるために「日本人は強烈な環境保護意識を有している」と説明。それゆえに自然を尊びたいという意識が、資源を一切使わずに魚を食する習慣を生み出したと考察。また科学的な理由として、魚の生食は栄養価が高く、タンパク質を豊富に含んでいると紹介し、高い温度を用いずに調理されるため栄養素が破壊されず、身体にとって良いと説明した。

 さらに記事は生食を含む日本料理について、味・色・形式などを重んじる他の国の料理とは異なり、養生・仏教思想・芸術性を重んじる飲食文化であると指摘し、生食と日本人の民族性、感性、思想には密接な関係があるという見方を示した。

 生食を好み、素材本来の味を楽しみたいと考える日本人と異なり、中国人は生食を嫌う傾向が強い。中国では鮮度の良い食べ物が流通していないという事情もあるだろうが、何でもしっかりと火を通し、素材の味をかき消すほどにしっかりと味付けをした料理を好む中国人は多い。日本は中国文化から多くの影響を受けたが、料理や食文化に関しては日本と中国の違いは驚くほど大きいと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)