3月16日午前3時に大きく値を下げたドル円だが、その後、反動のドル高には期待もされていた。日本時間16日午後9時30分にはアメリカで多くの指標が発表されたが、結果に対する市場の反応は冷たかった。なぜだろうか。

 「失業保険申請件数」の指標は予想よりも良く、「フィラデルフィア連銀製造業景況指数」も32.8と予想を上回った。これにより10年債権利回りも2.48%から2.53%に上がった。にもかかわらず、1ドル113円40銭から113円を下回るところまでドルは売られたのである。

 理由のひとつはユーロドルの値上がりだ。オランダ下院選挙で極右政党の台頭を抑えたことで信頼感が増した。同時に金利の引き上げも予想されるようになった。ノボトニーオーストリア中銀総裁は「主要政策金利の引き上げ、預金金利の引き上げ」どちらの可能性も示したのである。ドルが売られて、ユーロを買う動きが積極的になっている。

 もうひとつの原因はトランプ米大統領の動きの鈍さだ。税制改革や医療保険制度の問題を棚上げした状態で、ハワイ州で大統領令に反する司法結果が表明された。具体的な経済政策を示せぬまま、問題が蓄積していくアメリカに対して不安を感じているのが今の市場の実態である。

 日本時間3月17日午前2時ごろに米財務長官ムニューシンがG20のために訪れているドイツで会見を開いた。ドイツのショイブレ国務相との共同記者会見だったが、このなかでドル高について触れている。「現状のドル高は長期的に考えると良い方向」だというものだ。短期的な見解はあえて触れていない。これによって一応市場は、1ドル113円を下回っていた1ドル112円97銭から113円30銭まで持ち直した。

 3月17日の注目はトランプ大統領の声明だろう。予算教書を議会に提出したため、その内容が気になる。市場を大きく動かすのはもうトランプ大統領しかいない。実行力はあるだけに、内容次第では再びドルを買う動きが活性化される可能性は充分にある。日本時間の23時には「ミシガン大消費者信頼感指数」の速報値が発表される。G20の行方も気になるところだが、週末のドル円の値動きは以上の2点に絞られる。