籠池泰典氏(中央)の案内で、参院予算委員会の国会議員らが森友学園を視察した=16日、大阪府豊中市 (前川純一郎撮影)

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 国有地の払い下げ問題に端を発した学校法人「森友学園」(大阪市)をめぐる与野党の攻防が16日、新たな局面を迎えた。

 野党が求める学園の籠池泰典氏らの国会招致を拒んできた与党が一転し、証人喚問まで容認したのは、安倍晋三首相からの「寄付金」に言及した籠池氏の言動を放置できないと判断したからだ。一方、野党は籠池氏の新たな証言が攻撃材料になるとみて、「森友国会」を舞台に攻勢を強める構えだ。

 自民党の竹下亘国対委員長は16日、籠池氏の寄付金発言について記者団に「首相に対する侮辱だ」と怒りをあらわにした。「籠池氏がいろいろなことを話し始めた。放っておけない」と証人喚問に踏み切った理由を説明した。喚問実施の方針を伝えると、首相は「そうしてくれ」と語った。

 罰則のない参考人招致と異なり、証人喚問は虚偽の発言をすれば偽証罪などに問われる。過去にはロッキード事件やリクルート事件での証人喚問が有名だ。衆院予算委員会に限れば、平成14年3月11日に北方領土の人道支援事業の入札に関与したとされた鈴木宗男衆院議員(当時)以来、15年ぶりとなる。

 異例の対応について、公明党の大口善徳国対委員長も記者団に「一方的に籠池氏が発言している状態が続くと国民に疑念を抱かれることになる。虚偽のことを言えば偽証罪になるのでしっかり証言していただく」と語った。17日の衆参両院の予算委理事会で、23日の開催が正式に決定する。

 一方、籠池氏らの国会招致を求めていた野党側は勢いづいている。民進党の蓮舫代表は16日の記者会見で、籠池氏が首相から寄付金を受けたと発言したことについて「発言内容は軽くない。首相は籠池氏の前で『自分は潔白』と証明する責任がある」と強調した。

 蓮舫氏は「仮定」とした上で、「首相が寄付をした学校法人に国有地が不当に安く、前例のない手段で払い下げられたということになれば大問題だ」と主張。学園の小学校設置認可に関与していた場合の辞職を明言した首相の国会答弁を持ち出し、「当然そのような判断をされるに値することになる」と述べ、退陣が必要との認識を示した。民進党は、首相が出席する17日の衆院外務委員会でも寄付金に関する事実関係をただす。首相は全面的に否定する構えで、国会の攻防は、にわかに熱を帯び始めた。