16日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は23日(現地)のアウェイ・UAE戦、28日のホーム・タイ戦に向けた日本代表のメンバーを発表した。昨年11月の招集メンバーからは、GK東口順昭、DF丸山祐市、MF永木亮太、小林祐希、井手口陽介、FW齋藤学が外れ、GK林彰洋、DF昌子源、MF今野泰幸、高萩洋次郎、倉田秋、FW宇佐美貴史が入っている。

今回の発表でも、ハリルホジッチ監督はいくつかの矛盾点をさらけ出した。まず最初は、これまで「試合に出場しないならば招集しない」と繰り返していたのに、本田を呼んだことだろう。

「試合に出てなくても今の代表は本田を必要としてます」「我々のトップスコアラーでもあります」

監督はこう言って論を覆した。記者からなぜリーグ戦に出場していない選手を招集したのかと聞かれた監督は、「(本田や長友のようにヨーロッパのビッグクラブに所属していると)そこでトレーニングするだけでも違いがある」と擁護する。そして、もし本田や長友よりも優れている選手が出てくれば召集しないとし、他の選手は「彼ら以上のものを見せなければいけない」と力説した。

ここに今回の一番の矛盾が出ている。出場していない選手よりもいいパフォーマンスを見せるというのは、どういうことなのだろうか。実際、好調でも選ばれていない選手はいる。前節こそ欠場したものの齋藤学、また、小林悠、小林祐希、乾貴士などはリスト入りしなかったのだ。

次に宇佐美はどうか。監督は「彼の質の高さ、能力を私は信じてます」と全幅の信頼を明らかにした。そしてタイ戦の「ジョーカー」であると説明した。

ところがタイ戦は、監督自ら他のチームと比較すると「そこまで難しいと言えない試合」になるかもしれないと言っている。そこにこれまで経験十分の宇佐美を使うのか。それならば、昨年から好調を維持している鈴木優磨を試したほうが先につながるのではないだろうか。

もっとも、実は昨年9月、試合に出ていない川島を呼んだ際にも「発言力もあるし、チームによいスピリットをもたらせる。リーダーの1人でもあり、経験もある」と経験が必要だと語り、原則論を曲げていた。それなので、本田や宇佐美を呼んでも不思議ではない。

ところが、そこに数字や理屈を付けて説明してしまうから、何か言い訳をしているように聞こえてしまっている。選手選考は監督の選任事項。ならば堂々と「好みで呼んだ」「直感が働いた」と言えば、それ以上の追求はできないし、監督の責任は余計に明確になる。

監督が自分の考えを伝えたいのはわかるが、あまり言葉が多いとこうやって矛盾が出てきてしまう。監督のサッカー理論を知らせたいのなら、ほとんど非公開で行われているトレーニングを公開したほうが、有効ではないだろうか。

【日本蹴球合同会社/森雅史】