本田を招集したハリルホジッチ監督。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 もはやひとつの黒星も許されないワールドカップ・アジア予選で、ハリルホジッチ監督は本田と心中する覚悟を決めたようだ。事実、3月23日のUAE戦、同28日のタイ戦に向けた代表メンバー発表の席で、指揮官は本田の選出理由について次のように話している。
 
「(ミランで)試合に出ていなくても今の代表は本田を必要としています。我々は20試合ほど戦ってきましたが、常に彼はいました。我々のトップスコアラーでもあります。
 
 もちろんミランでより多くの試合に出てほしいですが、今のところ使われていません。ですが、彼の代表でプレーしたいという意欲は高い状態にあります。プラスアルファのトレーニングをしていることも分かっています。何分プレーするかは別問題ですが、我々には必要な選手です」
 
 昨年11月から「クラブで試合に出ていない選手は招集しない」というスタンスに切り替えたはずのハリルホジッチ監督は、それでもミランで干されている状態の本田を呼んだ。「曖昧な選考基準」と批判的な見方もあるだろうが、要は今回の連戦で結果を出せば文句を言われない。
 
 その結果を出すために、指揮官はコンディション以上に経験を重視したのだろう。本田と同じようにクラブで出番に恵まれない川島や長友を招集し、ワールドカップ出場歴がある今野をこのタイミングで代表に復帰させたのも、これまでの実績を買ってのことだ。
 
 アウェーのUAE戦で白星を掴むには勢いよりも経験。これが、ハリルホジッチ監督の出した答なのだろう。川崎の小林、横浜の齋藤らを外したことからもそれは明らかだ。ちなみに、G大阪の倉田、FC東京の郄萩、アウクスブルクの宇佐美を招集したのは、ホームのタイ戦で試せる余裕があればテストするという狙いがあるに違いない。
 ワールドカップ予選の再開初戦となるUAE戦で失敗は許されないからこそ、ハリルホジッチ監督は、ある意味“手堅いメンバー”を選んだのだろう。なにしろ、UAEに負ければ、日本は他会場の結果次第で4位に転落する可能性もあるのだ。
 
 ホームのタイ戦を含む3月の代表戦は、ハリルジャパンの命運を占う連戦である。仮に連勝できれば、今後の焦点は「日本はいつワールドカップ出場を決めるか」になりそうだが、ひとつでも引き分けると9月の最終戦──サウジアラビアとのアウェーゲームが悪い意味でちらつく。
 
 できれば最終戦までは引っ張りたくないのが、監督、選手の本音だろう。中東勢とのアウェーゲームの厳しさを知る内田も、「最終戦までもつれたら、本当に分からない。その前のオーストラリア戦までに決めたいですよね」とコメントしている。
 
 本田の選出はさして大きなポイントではない。そして、内容も重要ではない。求められるのは結果のみ。負ければ罵声、勝てば称賛。ハリルジャパンの風向きはこの連戦で決まると言って過言ではない。
 今回選出された日本代表メンバー25名は以下のとおり。

GK
西川周作(浦和レッズ)
川島永嗣(メス/フランス)
林彰洋(FC東京)
 
DF
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
酒井高徳(ハンブルク/ドイツ)
長友佑都(インテル/イタリア)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
森重真人(FC東京)
昌子源(鹿島アントラーズ)
植田直通(鹿島アントラーズ)
 
MF
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
山口 蛍(セレッソ大阪)
今野泰幸(ガンバ大阪)
郄萩洋次郎(FC東京)
倉田秋(ガンバ大阪)
香川真司(ドルトムント/ドイツ)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
 
FW
本田圭佑(ミラン/イタリア)
浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
宇佐美貴史(アウクスブルク/ドイツ)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
岡崎慎司(レスター/イングランド)
久保裕也(ヘント/ベルギー)
 
※順番は発表順

【日本代表PHOTO】UAE戦、タイ戦に向けたメンバー25人