順当にメンバー入りした吉田。サウサンプトンでも出場機会を増やしており、ハリルホジッチ監督も「レベルが上がってきている」と喜ぶ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 3月16日、日本協会はロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のUAE戦とタイ戦に臨む日本代表のメンバー25名を発表した。
 
 今回の3月シリーズでは、日本はまず23日にアウェーでUAEと対戦し、5日後の28日にホームにタイを迎える。
 
 UAEは最終予選の初戦で敗れた相手であり、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「リベンジの機会」と意気込む。予選グループで勝点10の2位につける日本に対し、UAEは勝点9で3位に位置する。ここで前回対戦の借りを返すことができれば、ライバルに大きく差をつけることができる。
 
 タイとは昨年9月に対戦し、敵地で2-0の勝利を収めている。もっとも、ゲーム内容は決して楽なものではなく、指揮官も「タイは日々、成長しています。他の国との試合を見ていても、それは分かります」と警戒を強めている。ただ実力差があるのは明白で、絶対に取りこぼせない一戦だ。
 
 ハリルホジッチ監督が「まず我々がすべきは、アウェーゲームで勝利を持ち返ること」と語ったように、UAEを下し、その勢いを持ってタイを叩くのが理想だ。今年最初の代表活動で、「日本の結束力、対応力を発揮して」(西野朗技術委員長)、ロシア行きに向けて大きく前進したい。
 
 発表されたメンバーは、3人のGKと、22人のフィールドプレーヤーの計25名。ここでは、基本システムの4-3-3に沿って、GKとDFの序列を考察していく。
 
【GK】
◎西川周作(浦和)/〇林 彰洋(FC東京)/△川島永嗣(メス)
 
 UAE戦もタイ戦も、西川が正GKに指名されるのは間違いない。重要な試合では経験がモノを言うが、所属クラブでいまだレギュラーを掴めていない川島をここで抜擢するのは現実的ではないし、場数を踏んでいない林も不安のほうが先行する。
 
 また、本来であればG大阪の東口順昭がエントリーされるはずだったが、先日のFC東京戦で負傷。「東口を呼べなかったのは悲しい出来事。彼は素晴らしいコンディションでプレーしていましたから」とハリルホジッチ監督は残念がる。東口にとっても絶好のチャンスだっただけに、痛すぎる選外となった。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=三番手

【日本代表PHOTO】UAE戦、タイ戦に向けたメンバー25人

 
【DF】
CB:◎吉田麻也(サウサンプトン)/◎森重真人(FC東京)/○昌子 源(鹿島)/△植田直通(鹿島)
右SB:◎酒井宏樹(マルセイユ)/○槙野智章(浦和)
左SB:◎酒井高徳(ハンブルク)/○長友佑都(インテル)
 
 DFは全部で8人。「あまり変更点はありません」(ハリルホジッチ監督)という顔ぶれを見ていくと、まずCBは吉田がファーストチョイスになる。指揮官も「麻也はたくさんのゲームに出ていますので、レベルが上がってきています」と、サウサンプトンで出場機会を増やしていることを喜ぶ。
 
 相棒となるのは、ここまでの最終予選5試合すべてでコンビを組む森重だ。もうひとりの候補者で、昨季の二冠(J1、天皇杯)に大きく貢献した鹿島の昌子は、今季もハイパフォーマンスを続けており、森重に負けず劣らずのCBに成長している。しかし、今回の2連戦でハリルホジッチ監督が信頼を寄せる吉田&森重の組み合わせを崩すとは考えにくい。昌子はバックアッパー、そして植田が四番手と見るのが自然だ。
 
 SBは、所属クラブでレギュラーを務める“ダブル酒井”が、左右それぞれの序列で一番上に来るはずだ。右に酒井宏、左に酒井高の同時起用となれば、4-0で勝利した昨年11月のオマーン戦(キリンチャレンジカップ)以来となる。
 
 控えに回るのは、長友と槙野。どちらもハリルジャパンでは基本的に左SBとして考えられているが、ふたりとも左右をこなせるだけに、形式上、右に槙野、左に長友を置いた。
 
 浦和の3バックで左ストッパーの定位置を掴んでいる槙野とは対照的に、長友はインテルで出場機会を失っている。事実、ハリルホジッチ監督も「佑都のところが心配ですね。あまりゲームに出ていません」と試合勘の欠如を懸念する。
 
 それでも招集に踏み切ったのは、「素晴らしいプロフェッショナル」であり、「ゲームに出なかった時は個別にトレーニングしている。代表でプレーしようという野心もある」から。たとえベンチスタートになっても、経験豊富な選手だけに、様々な面でチームの助けになるだろう。
 
 なお、現時点で西川、吉田、森重、酒井宏、槙野がイエローカードを1枚もらっている。UAE戦は敵地で厳しい戦いが予想されるが、“累積2枚目”となればタイ戦は出場停止だ。そうならないよう、激しくもクリーンなプレーを期待したい。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=三番手
 
文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)