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電子情報技術産業協会(JEITA)は16日、「JEITAベンチャー賞」の受賞企業7社を発表した。

「JEITA ベンチャー賞」は、電子情報技術産業の総合的な発展のみならず、経済発展に貢献しうるベンチャー企業を表彰するもので、2016年に続き今回が2度目の取り組みとなる。創業後15年以内で、電子情報技術産業発展への貢献が期待される国内ベンチャー企業を対象としている。受賞した企業と審査評価は以下の通り。

・アプライド・ビジョン・システムズ
3次元視覚技術をベースに、ステレオビジョン、レーザー計測および GPS を融合させた高精度な 3 次元計測および物体認識を実現するソリューションを提供している。ソリューションの代表的な事例としては、高精度の立体地図作成、道路や道路周辺インフラの点検など。今後も幅広い領域での発展を期待できる。

・エアロセンス
自社製の自律型無人航空機によるセンシングとクラウドによるデータの処理、管理を組み合わせた産業用ソリューションの開発・製造・販売を行っている。ソリューション例としては、「南三陸町震災復興事業」で、従来手法 1/3 の工期で 90ha 全域の工事進捗の定量化、可視化を実施。今後この分野でのさらなる貢献が期待される。

・エクスビジョン
先進の高速画像処理技術をロボット、FA、映像メディア、自動車、ドローン、医療分野などへ適用するアプリケーションの開発を先導して手がけている。今後も他社で行っていない、先進的な高速画像処理技術を開発すると期待される。

・Kyulux(キューラックス)
九州大学で発明された熱活性化遅延蛍光材料とHyperfluorescence(TADF と蛍光材料を組み合わせた材料)に関連する特許の独占実施許諾または譲渡を受け、次世代有機ELディスプレイ、有機EL照明の実用化を進めている。有機ELの材料開発ベンチャーとして、今後の発展が大いに期待できる。

・フェニックスソリューション
金属対象物でも読み取り可能なRFIDタグの開発に世界で初めて成功した。従来難しいとされてきた金属資材や資産の一括管理ができるようになり、サプライチェーン全体にわたるトレーサビリティ管理やセンサー等との連携でインフラ管理に適用されることで、社会全体の IoT 化を加速することが期待される。

・FLOSFIA(フロスフィア)
産学連携により先駆的に開拓したミストCVD成膜技術に基づき、簡便、安価、安全に、多種多様な金属酸化物の薄膜形成を可能とし、太陽電池や有機デバイスなど様々な用途・産業分野で薄膜ソリューション事業を展開。次世代パワーデバイスとして期待される酸化ガリウム(Ga2O3)半導体のデバイス試作にも成功し、今後の発展を大いに期待できる。

・MUJIN(ムジン)
画像認識結果によって、事前のプログラムを必要とせず、自らピッキング動作を自動生成・実行する知能ロボットの制御技術を開発。多品種少量生産の製造現場に向くほか、人手不足が問題となっている物流業の作業効率向上にも効果が期待される。

荒川泰彦 JEITAベンチャー賞審査委員会 委員長によれば、昨年は受賞対象となるベンチャー企業の分野として、電子情報技術に関する製造、社会インフラ、農業、流通などをリストアップしたが、今回より新たにセキュリティ、AI・情報技術分野を追加した。このほか、日本市場への進出を検討可能な海外ベンチャー企業も選定対象とすることで、2年目はより間口を広げることに留意したという。

また、東原敏昭 JEITA 代表理事/会長は、「Society5.0の推進、ひいては社会の課題解決にみなさんの技術が大きく貢献することを期待している」として、今回から同賞受賞者にはベンチャー優遇特例制度として、JEITA正会員新規入会時の会費を2年間免除する制度を創設したことを語り、「異業種や海外との連携なしにSociety5.0実現は難しい。その牽引力になっていただければ」と語った。

なお、受賞した7社はJEITAの活動への参画のほか、昨年よりCPS/IoT の総合展として生まれ変わった「CEATEC JAPAN」への出展、JEITA が主催するシンポジウムやセミナーなどへの参画も予定している。

(杉浦志保)