<日本ではサウジ国王の訪問団の常識外れの金満ぶりが話題になっているが、サウジ国内では経済状況の悪化が進み、これまで労働の主力だった外国人労働者に対する締め付けが厳しくなっている>

今週12日、サウジアラビアのサルマン国王が1500人と言われる随行員とともに来日した。今回の来日はアジア諸国を歴訪する「アジア行脚」の一環だが、サウジアラビアの国王が来日するのは実に46年ぶりのことだという。

サウジアラビアと聞いてまず頭に浮かぶのは、「オイルマネー」ではないだろうか。事実、メディアでは、サルマン国王がタラップから特設エレベーターで降りてくる姿から始まり、随行員らが秋葉原で買い物をする様子などその金満ぶりを報じていた。

御一行はとにかく羽振りが良さそうで、日本の女性向けネットサイトでは「玉の輿速報」というくくりで、アラブの石油王を惹きつける方法を伝えるものもできているくらいだ。

【参考記事】サウジ国王御一行様、インドネシアの「特需」は70億ドル超

石油関連の収入が激減

そんなサウジアラビアだが、実は国内に目をやれば、日本で優雅に豪遊している場合ではない、厳しい現実がある。何より経済の見通しが芳しくない。

まず経済統計を見れば、その深刻さがわかる。最たる原因は、世界的な原油価格の下落だ。サウジアラビアは国家財政の9割を石油の製造や輸出に依存しているが、2014年からは、アメリカのシェールガス革命などに対抗するために生産量を増やして原油価格を意図的に低く抑えていたために、原油価格が半分ほどに落ち込んでいる。価格は、一時期に比べて多少盛り返しているが、とにかく原油からの収入は大きく減少している。

昨年12月、OPEC(石油輸出国機構)などが石油生産量カットに合意したこともあり、今年には石油からの収入は47%ほど増えるという試算も出ている。だがそれも、アメリカのシェールガスの存在によってどう転ぶのか、先行きは不透明だ。

山田敏弘(ジャーナリスト)