3月16日未明、市場は一気にドル高から円高に振れた。どちらに動くか流動的だったため、この結果に驚かれた方もいたかもしれない。同日の最高値で1ドル114円80銭をつけていたが、深夜3時を境に大きく下げ、1ドル113円18銭ほどまで円高が進んだ。

 3月15日にはオランダ議会選挙があったが、投資家の注目は、アメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)によるFOMC(連邦公開市場委員会)が発表する政策金利についてだった。今回の利上げについてはすでに織り込み済みでだったため、利上げだけでは市場は動かない(仮に無しだったらさらに急激に動いていただろうが)。興味は利上げペースが加速されるのかどうかだった。

 FRBの利上げに関して、年3回から年4回の金利見通しに引き上げるのではないかという憶測が事前に飛び交い、日本時間15日日中の取引は動きが鈍く、ロンドン市場が開いてからも様子見ムードは広がっていた。

 日本時間の15日21:30にアメリカで「小売り売上高」や「消費者物価指数」の数値が発表されるとドル買いが始まり、一時は1ドル114円60銭から114円80銭までド高が進んだ。

 このまま利上げペースを加速するという発表があればさらにドル高となり、116円も視野に入ったかもしれないが、FOMCの発表はそれに反するものだった。FRBのイエレン議長もその後の発表で、口をそろえて「利上げは緩やかなペース」でと念を押す。

 結果、早朝は2.600%あったアメリカの10年債権利回りは2.500%を下回る事態になった。ドル売りは一気に加速。わずかな時間で1円ほど下がっている。

 アメリカ・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も金利据え置きを主張しており、どうやらしばらくはこれが主流となりそうだ。

 3月16日にはアメリカのトランプ大統領が予算教書を議会に提出する。16日の一番の注目はこちらの内容になりそうだ。トランプ大統領の政策実施によってFOMCも考え方を改めるかもしれない。21:30には新規失業保険申請件数の発表などもあり、ここで市場がまた動くことも考えられる。