連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第24週「光の射(さ)す方へ」第136回 3月15日(水)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:中野亮平


136話はこんな話


「ようこそ赤ちゃん」がクランクイン。栄輔(松下優也)が力を発揮する。

さすが栄輔さん、一歩先を読むのねえ


良子(百田夏菜子)の感嘆台詞がこれ↑
栄輔は時代の寵児となっただけはあり、仕事ができる。
仕事ができる条件とは、常に先を見て動けること。
映画の現場ではまさにそれが必要とされる。
栄輔は優秀な助監督のように撮影スケジュールに気を使う。
沐浴シーンの撮影の前に、赤ちゃんが気持ちよくお風呂に入れる方法を聞いて、30分もらって授乳、その間、赤ちゃんの出番のないカットをとろうと提案。すばらしくムダがない。

何言うてるのかと思ったわ


実践派の栄輔に対して、本に書いてある理論でしか動けない紀夫(永山絢斗)。
赤ちゃんの顔のアップがほしいと言って、なんべんも撮り直せないから明日にと却下されてしまう。
栄輔がナレーションをつけようと提案すると、
「映画は答を提示するものでない」とドヤ顔で語り、本の受け売りであることを亀田(上地雄輔)にすぐ気づかれ、すみれ(芳根京子)たち女性陣には、
「そんな映画だった?」
「答を教える映画や」(←明美のこれ最高)
「何言うてるのかと思ったわ」
 と口々に否定されて監督の立場なし。

反対に栄輔の株が上がるばかり。栄輔は、キアリスの原点である、手作りのベビー服を撮ることを提案し、
好評を得る。赤ちゃんのさくらを抱き上げていたときのことを思い出していい顔になる栄輔。誰もが辛かった戦後の日々が、彼にとってはとても良い日々だったと思うとなんとも言えない。

オライオン紳士ラインの復活や


潔(高良健吾)は、栄輔の功績を残せないやろか、と、エイスを卒業した元・若者たちのためのスーツブランドをつくろうと考える。

「べっぴんさん」は亡くなった血縁の想いもつなぐが、栄輔のように志半ばで倒れてしまった仲間の想いもつなごうとする。とにかくやれる者がバトンをつなぐのだという意思が感じられるのだ。
栄輔は、戦争で紀夫のいない間、すみれとさくらを懸命に守ったが、紀夫が帰って来たためその場にいられなくなって、結果エイスができた。
坂東家隆盛のある意味犠牲になった人物へ、坂東家と野上家がともに全力でお返しをしなくてはならない。そのため、紀夫がいつも少し栄輔に対して引け目を感じてしまう展開になるのはかわいそうな気もするけれど、自分の幸福が自分の力だけでないことを感じさせる誠実な脚本には好感がもてる。

皆の想いで栄輔が再び立ち上がることがドラマのクライマックスなるといい。

おばちゃん感


良子が亀田(上地雄輔)に「俳優にも会うの?」「すごいわ〜」とはしゃぐときの百田夏菜子のミーハーなおばちゃん感が巧過ぎる。

すみれ「あれもこれもしょいこまずに誰かに任せたらどう?」
紀夫「誰かって?」
すみれ「私達」
紀夫「・・・」
すみれ「ん?」
言葉が少ない、長年連れ添った夫婦感がよく出てる。すみれは、紀夫が一番頼れる人が武ちゃん(中島広稀)だったことを根に持っているのかも。
(木俣冬)