Googleが押しているGoogle Keepってどんなアプリ? どう使う? 便利さと課題とは

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Googleが最近「Google Keep」を強く押してきている。
先日、Google Docsで、突然「Google Keep」を勧められて、動揺している人も多いのではないか?

だが、Google Keepは直近で新しくリリースされたサービスというわけではない。

Google Keepは、2013年にはリリースされているメモ帳アプリだ。
しかしながら、あまり普及していないというのが実際のところ。

Googleが想定していたほどGoogle Keepが普及していない理由は、いろいろと考えられる。
iPhoneにはデフォルトで「メモ」アプリがあるし、メモのようなちょっとした文書の同期ツールには「Evernote」もある。もう少し大きなファイルになれば、素直にGoogle DocsあるいはMicrosoft OneNoteなどが使われるからだろう。

ただ、Google Keepは継続的に開発が進められ、着実に機能と使い勝手をバージョンアップしている。
モバイル用(Android / iOS)のアプリ、Google Chorome拡張があり、デバイス間をシームレスに同期することができるようになっている。

そして、この2月28日にGoogle Keepは「G Suite」というGoogleのオフィスツールに統合されたのだ。
現在では、Google Docsと連携し、Web版ではツールメニューでGoogle Keepに簡単にアクセスすることができるようになっている。

これにより、

・モバイル(Android / iOS)で編集
 ↓
・PCからGoogle Docsで文書に反映

が非常に容易になった。


iOS上のGoogle Keep



PCのGoogle DocsからGoogle Keepにアクセス


◎Google Keepの使いどころ
ただ、ちょっと難しいのはGoogle Keepの使いどころ。
Google Docsを使おうとしてアナウンスされるくらいだから、共有/編集に強いのかと思いきや、複数人で編集するには向かない。

もちろん、共有は簡単だ。Googleのツールらしく、iPhoneの「連絡先」と連携すればメールアドレスから「共同編集者」を選んで共有できる。
しかし、

・編集の履歴が残せない
・コメント記入ができない
・文字色を変えられない

という仕様で、これでは複数人が共同で1つのメモを編集するのは難しいだろう。
どちらかというと個人使いになりそうだ。

ただ、Evernoteが先日、機械学習システムの動作を確認するために人間による目視確認を行うというプライバシーポリシーの改訂を発表したで、ユーザーから反発を受け、それを撤回するという一件があった。Evernoteはそれ以前にも利用プランの改訂により、一時の勢いをなくしている。

Evernoteのこの状況を鑑みれば、使い勝手(特に編集機能の)が向上すればGoogle Keepは、Evernoteの代替として大きな存在になる可能性もある。

何よりGoogle Keepは、Google Docsから直にアクセスできるメリットは大きい。
今回の「G Suite」への統合で、今後「共同編集」のための機能が随時充実していくことに期待したい。

ちなみに、「G Suite」はGoogleのビジネス向けの有料のオフィスツールセット。
各サービスの24時間年中無休のサポート、GmailやGoogleカレンダーなどのGoogleサービスを独自ドメインで利用するなど、高度な利用が可能というもの。

Google Keep自体、そしてGoogle Docsとの連携も通常のGoogleアカウントで利用できる。


大内孝子