高級ポータブル市場を切り開いたAstell&KernのAKシリーズを筆頭に、ソニーからも30万円のハイレゾウォークマンが発売されるなど、ポータブルオーディオプレーヤー市場のハイエンド化が進んでいます。また、先日発売されたオンキヨーのハイレゾスマホ「グランビート」のように、スマホでもいい音で音楽を楽しみたい、というニーズも高まりつつあります。

 

一方で、スマホとその付属イヤホンで手軽に音楽を聴いている人も多く、ヘッドホンやイヤホンに何万円も出せないというユーザーが大半を占めているのも事実。それほど音質に興味のない一般ユーザーにも、ハイエンドオーディオの音の違いはわかるのでしょうか。それを確かめるべく、都内の大学に通う現役女子大生の長友 海咲輝さんにハイエンドオーディオで音楽を聴いて頂きました。

↑長友 海咲輝さん

 

使用したオーディオプレーヤーは、ポータブル機のなかでも別格のサウンドを再生できるとして名高いAstell&Kernのハイエンドモデル「AK380」と、本体の材質をジュラルミンから変更した限定モデル「AK380 Copper」(銅)、「AK380SS」(ステンレス)の3機種。いずれも同じ材質を使用した別売の専用ヘッドホンアンプ(AK380 SSは同梱)を装着して、パワーアップを図っています。本体価格はモデルによって若干異なりますが、プレーヤーがおよそ50万円、アンプが約15万円で合わせて約65万円程度。まさにハイエンドの名にふさわしい高級機といえます。

↑左から「AK380SS」、「AK380 Copper」、「AK380」(いずれも専用ヘッドホンアンプを装着)と、「AK70」

 

試聴に使ったのは、JH Audioのエントリーイヤホン「Michelle」(実売価格6万円前後)と、Master & Dynamicの密閉型ヘッドホン「MH40」(実売価格4万5000円前後)。

↑JH Audio「Michelle」(左)と、Master & Dynamic「MH40」(右)

 

普段は2〜3000円で購入したカナル型イヤホンを使って、iPhoneで音楽を聴いているという長友さん。初めてのイヤモニタイプ(耳にかけるように装着するイヤホン)の装着に悪戦苦闘していました。

↑慣れないイヤモニタイプの装着に苦戦

 

初めてのハイレゾにびっくり!

初めに聴いてもらったのは、AKシリーズのエントリーモデル「AK70」(実売価格7万円前後)。女性でも扱いやすいコンパクトなサイズながら、バランス接続にも対応する人気モデルです。音源は、ハイレゾ版の宇多田ヒカル「花束を君に」(24bit/96kHz)。ハイレゾ楽曲を聴くのは初めて、という長友さんでしたが、その音質には驚いたようで「宇多田さんの声が、いつも聴いているiPhoneよりもすごくきれい。細かい音まで聴き取れるので、曲の印象も変わります」とコメント。

↑AK70を試聴

 

続いて専用ヘッドホンアンプを付けた「AK380」を聴いてもらうと、いままで聴いたことのないサウンドに驚きを隠せません。「さっきよりも声がきれいになったというか、透明感が出たような気がします。同じイヤホンなのに、音の広がりがすごくて、部屋が広くなったような感じ。初めて聴く音ですね」(長友さん)

 

さらに、銅をふんだんに使用した「AK380 Copper」を聴いてもらうことに。シリーズ中、もっとも重量のあるモデル(プレーヤー約350g、アンプ約297gの合計約647g)だけに、「これ、すごく重いですね……」と若干ためらう長友さん。音質については、「さきほどのAK380よりも、宇多田さんの声がやさしくなったような気がします」とのこと。

 

最後に、ステンレススティールを使った「AK380SS」を試聴してもらいます。「なんというか、元気がいい感じですね。あと、低い音が強くなった気がします」(長友さん)。

 

Master & Dynamicのヘッドホン「MH40」でも聴いてみます。普段はイヤホンでしか音楽を聴かないという長友さんですが、ヘッドホンならではの臨場感に圧倒されたようです。

 

「普段はイヤホンでしか聴かないので、ヘッドホンだと音の迫力が全然違いますね。ついボリュームを上げたくなっちゃいます」(長友さん)

 

ひと通り聴いてもらった後で感想を尋ねると、「どれもすごくいい音なんですけど、少しずつ音が違うのでびっくりしました。個人的には、気軽に聴くならAK380SS、じっくり聴くならCopperかな。色は普通のAK380が落ち着いていて好きです。でも外に持っていくなら、小さいAK70かな。AK380は女性が持つにはちょっと大きいかなと思いました」とコメント。

 

初めて体験するハイエンドオーディオの世界に、驚きが止まらない長友さんですが、実際に自分で使ってみたくなったりしたのでしょうか? 「今回試したものは、学生の立場からすると高くて買えないものばかりなのですが、今度イヤホンを買うときには、ちゃんと試聴して音のいいものを選びたいな、という気持ちになりました」とのこと。

 

長友さんのように普段は音質に興味のない人でも、一度ハイエンドオーディオで音楽を聴いてみると、音に対する認識や考え方が変わるかもしれません。まずは店頭の試聴コーナーなどで、自分好みの音を鳴らすイヤホンやヘッドホンを探してみてはいかがでしょうか。