先頃、厚労省が全国に推計3万8000人いるとされる若年性認知症について、全国での実態調査を初めて行う方針を決めた。認知症は高齢者に多いが、65歳未満の世代でも増え続けていると見られ、2017年度から3年間かけて、患者やその家族からアンケートを取り情報を集めるという。
 8年前の厚労省の調査(以下、同データ)によれば、若年性認知症の推定発症年齢の平均は51歳。女性より男性の方が多く、高齢者と違い働き盛りの場合が多い。そのため、発症した場合は家族など周囲への影響も少なくないが、本人が受診を怠り、発見が遅れがちになることが多いという。

 銀座泰明クリニック院長の茅野分氏は、こう話す。
 「先天性の場合もあるとされ、その場合、予防という面では困難と言わざるを得ません。強いて言えば、20、30代のうちから好奇心を抱き、前頭葉(=運動・言語・感情を司る)を活性化することでしょうか。好きなことや楽しいことに邁進することが、最も効果的と思われます」

 一方、若年性認知症で最も多いタイプは、脳梗塞などがきっかけで起きる脳血管性認知症で39.8%。次いでアルツハイマー型の認知症が25.4%を占める。
 「脳血管性認知症が最も多いことを考えても、脳梗塞を引き起こす原因となる高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病予防が、認知症の予防策にもなる。また、糖尿病の人は薬などで血糖値を下げますが、下げ過ぎた低血糖状態が脳の栄養分となるブドウ糖の濃度を低下させ、それも認知症を招く。いずれにせよ、そのような生活習慣病に陥らないように、規則正しい生活をすることです」(脳神経外科医)

 では、患っている場合、どのような症状が出るのか。
 「基本的には物忘れがひどくなります。と言っても、仕事やプライベートで、何かの拍子に思い出したり、周囲の人に言われて思い出す場合は大丈夫。しかし、人に指摘されても、それ自体を忘れてしまっている場合は初期症状の可能性がある。さらに悪化すると、よく行く場所で迷子になったり、買い物でお釣りを払う際に考え込んでしまうといった症状が出ます」(同)

 さらに、脳血管性認知症では突然にして言葉が出なくなる、またアルツハイマー型では、空間認識力が落ち、目の前の物が取れなくなるといった症状も。
 他人事ではないことを肝に銘じておこう。