おやじと野武士という奇想天外なコンビが気ままに食を楽しむ!

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 「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」など、次々と映像化されヒットを飛ばしている久住昌之氏の原作、土山しげる氏の作画による「漫画版 野武士のグルメ」がドラマ化、Netflixで3月17日から世界配信される。元会社員で還暦を迎えた男が、空想の野武士の力を借り、自由にグルメを謳歌するファンタジーだ。出演した竹中直人と玉山鉄二が撮影を振り返った。

 長年勤めた会社を定年退職した香住武。主演の竹中は、“野武士”のように自由な時間に、好きなものを好きなだけ食べることを決意した男の食への探究心を、ハードボイルドかつコミカルに演じる。

 「久住さんが泉昌之名義で活動されていたときから大ファンで、自分でも企画を出していたこともあったので、久住さんの作品だったら是非やらせてください!って、お受けしました。うれしかったですね」

 「モノローグ中心で、セリフが少ないんです。現場に行って、ただいるだけということが多かった。ご飯食べて、その味に反応して、いきなり現れる野武士を待って(笑)。だから僕は非常に静かなお芝居です。そこに玉山くんの野武士が『うまーい!』って豪快にいきなり現れますからね。感動しますよ」

 野武士を演じる玉山。これまで時代物に出演した経験は少なくないが、これまでにない設定に戸惑いもあったそうだ。「僕の年齢ではまだ早いと思ったので、正直最初は驚きました。でも、ハードボイルドな玉山さんが見たいと言われたことと、竹中さんと15年ぶりくらいの共演になるので、ぜひご一緒させていただきたかった」

 「香住の願望のように、いい意味で空気を読まなかったり、その雰囲気に飲まれないで演じることが大事だと思いました。僕自身が人生でセオリーとして感じてきたものを取っ払う作業が必要なのではと考え、僕が野武士でいる時間は、何をやってもいいんだと思いながら演じました。時代劇ではあるんですが、こういう所作を入れなくてはというようなルールがなかったので、すごく居心地がよく、楽しかったです」(玉山)

 撮影時に最も気を使ったのはやはり食事のシーンだったそう。「いろんなアングルで何度も食べ、毎回湯気も出てないないといけない。セッティング途中で湯気が薄まってきちゃうと、食べている途中で、下げられて、新しいものと交換になるんです。エキストラの方にこれもったいないから食べたほうがいいよってやり取りするのも楽しかったです。実際のお店で撮影して、お店の方が作るんです。毎回いろいろなものが食べられて最高でした。どこもおいしかったです」(竹中)

 東京を中心に、近郊の街の雰囲気も楽しめるドラマに仕上がった。「庶民的なお店が中心で、1回だけ吉祥寺の高級イタリアンに行きました。多摩美の学生だった頃よく行った町なので、懐かしかったです。下北沢のおでん屋さんも。ロケ場所によって居心地が良いところもあって、散歩したくなるような……そんな場所が楽しかったですね。御徒町のあるお店は、昭和の雰囲気があって良かったなあ」(竹中)

 「孤独のグルメ」「深夜食堂」など、近年の日本のグルメ映像作品はアジア諸国でも紹介され、好評を得ている。世界190カ国に同時配信される本シリーズについて玉山は「海外の人にこう理解してもらいたいから、こう演じた、ということは、特にありませんが、日本独特の食文化や第2の人生を迎える日本人の男の雰囲気だったりを、海外の人たちが見て、どう感じてもらえるのかというのは、とても興味があります」と話す。

 実生活では、一人で飲食店に入って食事をすることはほとんどないという竹中。一方、玉山はラーメンに限ってだけ一人で食べるという意外なこだわりが。「ラーメンが到着するまでに、厨房の中や、他のお客さんたちの反応を観察するのが好きなんです。湯切りや具を載せたりする順番を見ていたり。そういうところを見ながら、いろんなラーメン屋を開拓するのが好きですね」と明かす。竹中が「福島の白河ラーメンはおいしかったな」とつぶやけば、「あれは、ゆでる前に一回麺をつぶすんですよ」とすかさず玉山がうんちくを披露し、ラーメン談義に花を咲かせた。

 世界に誇る日本の食文化を、おやじと野武士という奇想天外なコンビが味わう本シリーズ、グルメドラマの新たな代表作になりそうだ。

 「野武士のグルメ」Netflixにて3月17日から配信スタート。