時計のことを深く知るためには、いくつかの用語を知っておきたいものです。今回は、時計の顔である文字盤について見ていきます。

 

【インダイアル】
クロノグラフの30分積算計や12時間積算計など、文字盤内に設置された小さなダイアルのこと。海外の時計カタログやオークションサイトなどでは、「カウンター」「レジスター」「サブダイアル」と表記されることが多い。

 

【インデックス】
文字盤に設置された「時」を示すための数字や記号類の総称。時字(ときじ)やアワーマーカーとも呼ばれる。ローマ数字やアラビア数字、丸型や直線(バトン、バー)型、三角形など、視認性や装飾性の異なる多くのタイプがあり、時計の個性や用途によって使い分けられている。

↑ローマ数字インデックス

 

↑アラビア数字インデックス

 

↑ドット型と三角型を組み合わせたインデックスは、視認性の要求されるダイバーズウオッチに多い

 

 

【エキゾチックダイアル】
1960〜70年代に製造されたロレックスのクロノグラフ「コスモグラフ デイトナ」のうち、インダイアルの数値目盛り部分が四角く突き出たようにデザインされ、秒目盛りも15・30・45・60の15秒刻みなどになったダイアル。アンティーク市場でも特に希少性の高い仕様。

 

【エナメルダイアル】
金属板の表面に釉薬を塗り、高温で焼き上げる技法。1000度以上もの高温で焼成させる技法は「グラン・フーエナメル」、金線で囲みを作りながら描いた絵柄に合わせて釉薬を流し込んで焼き上げる技法は「クロワゾネエナメル」などと呼ばれる。

↑グラン・フーエナメルは、feu(=炎)が出るほどの高温で焼成することに由来

 

↑クロワゾネは、地金に枠組みを作り、そこに釉薬を入れていくエナメル技法

 

↑シャンルベは地金に彫金を施してから、釉薬を流し込んでいくエナメル技法

 

 

【ガルバニックダイアル】
素材となる溶解液に文字盤の地金を浸し、メッキ加工(表面をコーティング処理)したダイアルのこと。耐腐食性や耐久性に優れ、さらに塗装処理を幾層も重ねることで、重厚感のある文字盤を作成することができる。

 

 

【ギョシェ】
旋盤機などを用いて盤面に微細な幾何学的な凹凸紋様を作り出す。光の反射を抑えて時計に落ち着きを与え、視認性を高めることができる。

 

 

【サンレイ仕上げ】
「太陽光線=Sunlay」を由来とする放射仕上げの文字盤。サンバースト仕上げとも呼ばれる。ダイアルに施された細かな彫り加工が、見る角度によって光の反射を変化。中心軸(太陽)から外周(宇宙)へ向けて、あたかも太陽光が放たれているかのような、美しい放射状紋様を特徴とする。

↑部分的にサンレイ仕上げが施されることもある

 

 

【スケルトンダイアル】
時計のダイアル部に穴あけ処理を施すことで、文字盤側からもムーブメントの動きを見られるようにした時計。ケース裏面もガラス張りにするなどして、時計の表からも裏からもムーブメントが見えるタイプのモデルは「フルスケルトン」と呼ばれる。

 

 

【ストーンダイアル】
貴石系を薄くスライスして文字盤としたもの。メテオライト(隕石)やラピスラズリが用いられることが多い。

↑メテオライト文字盤は不規則な直線紋様が特徴

 

 

【スネイル仕上げ】
「スネイル=かたつむり」の殻のような円状紋様を刻む仕上げで、インダイアルに施されることが多い。文字盤のほか、ムーブメントのパーツに施されることもある。

↑この時計では文字盤の外側にスネイル仕上げを施す

 

 

【ダイアル】
文字盤のこと。材質は、真鍮などの加工が容易なものが一般的に用いられる。高級時計には、マザー・オブ・パールを金属板に貼り付けたものや、ゴールド、プラチナなどの貴金属、貴石類が素材として使われることもある。装飾は研磨やペイント加工が一般的だが、ごく一部の超高級モデルには、完成まで数十工程を要する特殊な焼き付けやエングレービング加工が施されることもある。

 

【パイパンダイアル】
文字盤中央の12角形デザインが特徴。名前の由来は、パイを焼く際に用いられる12角形の金属製パイプレート(パイパン)と言われている。1952年に発売されたオメガ「コンステレーション」に採用されて人気を博した。

 

【マザー・オブ・パールダイアル】
ウグイス貝科白蝶貝の殻を薄くスライスし、コーティング処理を施してから金属板に貼り付けた文字盤。独特の幻想的な光沢感や、2つとして同じ模様のない天然素材の希少性などが人気を博している。

 

 

【ラッカーダイアル】
文字盤の地金に無色・有色の塗料を薄く、均一に吹き付けては乾燥を何度も繰り返して仕上げる文字盤。塗料の溶剤を揮発させて硬さを得て、耐久性が高められる。また、磨き上げることでエナメルに似た光沢感を出すことができるのも特徴。吹き付ける回数は時計によって異なるが、一般的には素地、塗装、耐久性の向上などの用途に応じて無色・有色を使い分けながら5〜6回で仕上げられている。

↑磨き上げることで独特の光沢感が得られる