「強いぞ、ガストン」には故ハワード・アシュマンさんの秘蔵歌詞も新たに盛り込まれた
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 エマ・ワトソンが主演を務めるディズニー実写版『美女と野獣』のビル・コンドン監督と、1991年のアニメーション版も手掛けた作曲家のアラン・メンケンが取材に応じ、同作のための新曲や歌詞の変更について語った。

 第64回アカデミー賞主題歌賞にノミネートされた「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「美女と野獣」(うち「美女と野獣」では受賞)をはじめとしたアニメーション版の名曲に加え、メンケンが新たに3曲を書き下ろしたことでも話題の本作。コンドン監督は「彼は20年以上も今作の曲を書いていなかったのだが、新しい可能性について僕が説明すると、新しい曲が彼の中からすごく自然にあふれ出してきたんだ。20年というブランクが全くなかったかのように。素晴らしかった」と感服する。

 一方のメンケンも、『シカゴ』の脚本を手掛け、『ドリームガールズ』は監督もするなどミュージカルに造詣の深いコンドンとのコラボレーションは中身の濃いものになったと語る。「ビル・コンドンは全ての面にしっかり関わる監督なんだ。歌詞の一つ一つにも関わる。僕らは細かなところにわたって一緒に考えたんだよ」。そうして誕生した曲の一つが、ベル(エマ・ワトソン)のことを愛するようになった野獣(ダン・スティーヴンス)が愛について歌う曲「Evermore」だ。

 「(ミュージカルにおいて)歌は、物語を語るためにある。例えば野獣がベルへの愛について歌うとき、歌の最後で、最初とは違うところにたどり着いている。塔の一番高いところにたどり着くだけではなくて、失望の中にあっても、しがみついていられるものを見つける。つまり、人生で初めて彼は“愛した”という記憶を手にするんだ」(コンドン監督)。

 また、劇中で何度も形を変えて流れる新曲「How Does a Moment Last Forever」はアニメーション版では触れられなかったベルの母にまつわる楽曲だ。ただメンケンはそこには普遍的なものもあるとし、「自分の人生と、その中の“ある時間”をいつまでも忘れないという、誰にでも伝わるメッセージがあると思う。自分にとって貴重なものを、ずっと、しっかりつかまえていることは大切なことだ」と曲に込めた思いを明かした。

 そして、悪役ガストン(ルーク・エヴァンス)が子分のル・フウ(ジョシュ・ギャッド)や人々を引き連れて野獣を殺しに行くさまを歌った「夜襲の歌」では一部歌詞が変更されている。「ビル(・コンドン監督)はこの曲で、ガストンが意図的に人々の心を操ろうとしていることや、それにル・フウがどう反応するのかを示したいと願った。こういう変更をするのは、僕にとって稀なことだ」とメンケン。オリジナル版を手掛けた故ハワード・アシュマンさんの詞を変えることの重さを感じつつも「あれは良い決断だったと思う」と太鼓判を押す。

 コンドン監督はその狙いについて「ル・フウは、野獣がいるのは間違いないが、別のモンスターが解き放たれたのではないか? と歌うんだ。彼は、ガストンの方が野獣より危険なのではないかと思っている。ジョシュがこの映画に出演することになったとき、この部分はとても大事だった。彼はこのキャラクターをただのおバカな脇役にはしたくなくて、彼なりの起伏を持たせたかったんだ。それがこの歌でわかるよ」と説明した。長年人々に愛されてきた物語は、3曲の新曲と歌詞の変更により一層深みを増している。(編集部・市川遥)

映画『美女と野獣』は4月21日より全国公開