東京商工リサーチの調べによると、2016年(1-12月)に「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示した上場企業は57社(58件)で、調査を始めた08年(25件)以降で最多を記録したことがわかった。これまで最多だった15年の52社(53件)を上回った。

 内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が25件(構成比43.1%)で最多、次いで「売上の過大計上」や「費用の繰り延べ」など、営業ノルマ達成を推測させる「粉飾」が24件(41.4%)で続いた。

 同リサーチによると、急増の背景には、コンプライアンスの欠如、知識の不足、従業員への過度なノルマ追求、そして監査体制の強化などがある、とみている。また、厳格な運用が求められる企業会計についていけず、処理の誤りが生じたケースもあった。健全な会計意識の定着の遅れが温床となり、不適切会計は高止まりしているとしている。

 経済のグローバル化で事業規模が拡大し、海外子会社を通じた取引での不適切会計も増えている。同リサーチでは「社内のコーポレートガバナンスやコンプライアンス意識向上とともに、風通しの良いコミュニケーション環境が整わない限り、不適切会計は繰り返される可能性がある」とコメントしている。