どれくらい働くかが分かれ目

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いわゆる「103万円の壁」が150万円に引き上げられるなど、パート主婦を取り巻く環境は変わろうとしています。制度が変わるならもっと働きたいと思っている人はどれぐらいいるのでしょうか?

リビング暮らしHOW研究所の調査によると、「もっと働く」と回答した女性は40%にとどまり、「現状維持」が55%もいました。

103万円の壁を越えたら、次なる壁が待っていた

「103万円の壁」とは、夫の所得税を計算するとき、38万円の配偶者控除を得られるように、妻の収入を103万円未満に抑えるというもの。103万円を超えて働くと、世帯の手取り収入が逆に少なくなってしまうのです。これが税制改革で、150万円に引き上げられる方針です。

この改革に「賛成」と回答した女性は49.9%、「どちらともいえない」と回答した女性は43.7%でした。

前向きに支持する回答が半分しかない理由は?

「主人の会社からの配偶者手当が103万円以内」(37歳)
「社会保険も同時に上がらないと働く時間は伸びない」(49歳)

など、税金以外でも夫の会社から支給される家族手当てが大事な収入源になっていたり、社会保険がネックとなっている様子です。

ちなみに、社会保険についても2016年秋から、従業員500人以下の企業で年収130万円以上の人から106万円以上の人へ適用範囲が拡大され、一部のパートタイマーに影響が出ています。

つまり、103万円の壁がなくなったからといって、無制限に稼げるかというと、夫が加入する社会保険の扶養範囲である「106万円の壁」「130万円の壁」、新たな配偶者控除のための「150万円の壁」が待ち受けているというわけです。

これからどれを選択したらよいのか、迷いそうですね。

改革実現後の働き方について尋ねたところ、最も多かった回答は、「今の勤務時間などがちょうどいいので、変えるつもりはない」で35.3%でした。次に多かったのは、従来の社会保険の扶養範囲である「130万円まで働く」で21.3%、続いて103万円の壁があったときとほぼ同じ年収「106万円の壁の範囲で働く」が19.2%、「150万円までなるべくたくさん働く」という人は18.2%にとどまりました。

政治家はびっくりしちゃう? 「そんなに働きたくない」の声も

そもそも、パートで働く女性たちはもっともっと稼ぎたいのでしょうか? 調査によると、約7割は「今の仕事に満足」していると回答しました。また、「10年後も仕事をしていると思う」人は53%で半数以上いますが、「10年後、別の職場も含めてステップアップをしていたい」という上昇志向の人は23%しか見られませんでした。「今の職場で同じ仕事を続けていきたい」と現状維持を希望する人が多いのですね。

彼女たちにとって税制や社会保険の制度変更は、働き方を変える大きなきっかけにはならないのかもしれません。

「そんなに働きたくない」(46歳)

といった声も聞かれました。「女性活躍社会」と高らかに宣言する政治家にとっては、意外な反応かもしれませんね。

調査は2017年1月から2月に実施され、パートで働く女性423人が対象となりました。