SuG武瑠が語った、紆余曲折の10年間と日本武道館への想い

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2017年に10周年を迎えるSuGのベスト・アルバム『MIXTAPE』を改めて聴くと、時系列順ではないものの、音楽性の変遷を感じる興味深い内容となっている。

その変化について武瑠(Vo.)に聞くと、始めた当初はヴィジュアル系に無知で、シーンの中でかなり試行錯誤したという。図らずともなってしまったヴィジュアル界の異端児は、この10年をどう生き抜いてきたのか。9月2日の日本武道館公演に向けた想いとともに、紆余曲折のデビュー当時〜現在までを語ってくれた。

-SuGは今年10周年を迎えるということで。10年間って長かったですか? それとも短かった?

短いというか、早かったですね。特にメジャーデビューしてからは1年でフルアルバム1枚とシングル3枚と本2冊出していたので。

-すごいですね。いつの間に本を執筆する時間が。

昔の自分を自分で尊敬してるくらいです(笑)。1月にメジャーデビューしたんですけど、休みが1年間まったくなかったんですよ。それが、年末にやっと空いて、その日から小説を書き始めたという。すごいメンタル持ってたなあの時と思って(笑)。だから、今でもたまにへこたれたりするとイ△了何十日も連続で働いた後に書き始めたんだぞイ辰道廚Δ茲Δ砲靴討い泙后

-バイタリティありますね。それ以外に服のブランドを立ち上げたりとかもしていたじゃないですか。

そうだ。忘れてたけどそうですよ。コレクションの発表に向けてデザインもつねにやっていましたし、他にもニューヨークに短期留学したり、短編映画を撮ったり……いろいろなことをしましたね。

-表現することが好きなんだろうと思うのですが、それにしても何でそこまで・・・と思ってしまいます。

私生活のすべてを捨てて、表現欲だけで生きていた感じです。一度SuGが活動休止して、その後の3年間はサポート面にまわるというかSuGが動いていくためのお母さんになろうイ隼廚辰董△修譴泙任攻めだったとしたら守りの体勢になっていったんですけど。そういう変化はありつつも駆け足の10年でした。

-武瑠さん個人の活動についても興味があるのですが、その辺は別の機会に伺うとして。今回リリースされるベストアルバム『MIXTAPE』を聴かせていただいたのですが、曲順は時系列順ではないとはいえ、こうやって並べるとある時から音楽的な変化があったということを感じますね。

SuGにとって1個の到達点が『sweeToxic』という曲だったのですが、そこに至るまでは試行錯誤と失敗と実験の繰り返しでした。例えば、初期の頃の曲はブレイク・ビーツとかファンク、ヒップホップっぽいノリが入っていたりしているんですよ。『LOVE SCREAM PARTY』って曲がそうなんですけど。

-ブラックミュージックが好きとか?

俺とyujiが特に好きですね。SuGイ辰討いμ樵阿皀屮薀奪・カルチャーの言葉からとってきているし。で、それをヴィジュアル系でやったら面白いかなと思ったんです。でも、やってみるとなかなか自分たちなりのジャンルというのが見つけられなくて、いろいろ模索しながらちょっとロックに寄ってみたりパンクっぽくなったり、そういう変遷がありました。

-いろいろやってたんですね。

そうですね。BOOM BOOM SATELLITESとかスーパーカーとかに影響されて作ったような曲もありますし。ただ、今でも覚えてるんですけどインディーの時にリキッドのワンマンで1曲目にそういう曲を持っていったんですよ。お客さんが縦ノリする姿を想像していたんですけど、誰一人ノッてなかったという。他にもいろんな音楽にチャレンジしましたけど、ことごとく全部敗れて(笑)。だいぶ叩きのめされました。かといって、自分たちが本当にやりたいことが潰されてしまうのも悔しかったので、じゃあどうやったら取り入れられるのかということを考えるようになりましたね。そのなかでマイナー調のコードにダンスミュージックが混ざるスタイルがだんだん出来上がってきて、ちょっとずつお客さんにも受け入れてもらえるようになってきたという感じで。結構極端なことをする時は、言葉遣いとかデザインで工夫したりしていました。例えばすげーファンクな感じでついて来れないだろうなという時は異常にガーリーなものをぶつけたりして、視覚的に女の子が惹かれるようなものにしたりとか。

-他にも表現の手段はあったはずなのに、なぜ敢えてヴィジュアル系に?

もともと(マリリン・)マンソンとかマイケミカル・ロマンスとか、(セックス・)ピストルズが好きで。あと、漫画もNANAとか読んでて、そういう世界観に憧れていたんです。それでバンドマンの友達に相談したら、ズパンクシーンではそういうの死んでるから、やるならヴィジュアル系じゃね?イ辰董幣弌法7觜修い蹐い躑気┐討發蕕い泙靴燭諭ヴィジュアル系のヴォーカルは身長小さい方が売れるから小さくサバ読んだ方がいいよとか(笑)。それに、スペシャか何かでちょうどMIYAVIさんやBAROQUEさんが出ているのを見て、イ△譟△海ΔいΑ焚山收)のもやっていいんだイ隼廚辰董△修譴濃呂瓩討澆心兇犬任靴拭で、実際に入ってみたら当時のインディーシーンはもっともっと特化したノリ方というか、ヴィジュアル系の伝統芸能的なものが流行っていて、やべーなと。インディーのデビュー曲はラップとか入ってたんですよ。それこそゥ屐次(ブーイング)イ辰憧兇犬任靴燭韻鼻幣弌法そこからは勉強しながらやっていきましたね。

-そういう紆余曲折の成果がここには(笑)。

すげー詰まってます。

-確かに、『sweeToxic』以降の楽曲は、隙がないなと思いました。すごい完成されているというか。

『sweeToxic』で完全に周りの反応が変わったんですよ。それまではチャラチャラしたバンドみたいに言われていたのに、先輩方とかも受け入れてくれるようになったりとか、他のジャンルの人が対バンを受け入れてくれるようになったりだとか。

-他のジャンルの人との対バンってやっぱり難しいものですか?

めちゃくちゃ大変ですね。バンド同士とかアーティスト同士はよくても、それを管理しているマネージメントの人たちはヴィジュアル系というフレーズだけで断ってくることもあるし。

-それはもう、根気よくやっていくしかない?

うーん。そうですかね。かといって服装を地味にしたいわけではないし。でも、いわゆるみんながイメージしているヴィジュアル系ともやりたいことは違うような気もするし。

-それでも、ヴィジュアル系を受け入れるというか、捨てないんですね。

別にそこはどうでもよくて。もう、出身の村みたいなものなんですよね。別に本籍地は一緒なので、どんなバンドでもやりたいと思う人がいれば一緒にやるし。だから、非常に立ち位置が難しいですね。

-こんなことを武瑠さんに聞くのも失礼かもしれませんが、そもそもなぜそんなに偏見を持たれているんだと思います?

単純に、ジャンル内での交流が少なすぎるからだと思います。ヴィジュアル系って全然対バンしないんですよ。もちろん売れてない時はするんですけど、ある程度売れてくると全然ライヴをしなくなるし、自社イベント以外で後輩バンドと同じステージに立つこともあり得ない。この間V-ROCKフェスがありましたけど、それを継続していかないとカルチャーとして育たないと思います。今、フェスってすごく流行っているじゃないですか。博覧会みたいな感じで好きなバンドを選べるシステムも画期的だし、結局誰かと誰かのバトルをみんな見たいんだと思うんですよ。人間って複数の選択肢を得られないと興味を持たないんですよね。敵キャラがいない漫画は超つまらないっていう。これは持論ですが。あと、ロック系でよくある一番上の先輩とそのファンがいて、その先輩が可愛がっている後輩のライヴを観に行ってそのバンドも好きになるとか、またはその逆パターンとか、そういう現象もヴィジュアル系では起こらない。

-閉鎖的に見えるのってそういうところなんですかね?

外からも閉鎖的だし内部も閉鎖的だと思う。もともと独りを好む人がやってたりするので、馴れ合わないという。だからこそカッコいいところもあるんですけどね。

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-なるほど。ところで、武瑠さんが昔10代の頃とかに思い描いていた未来ってどんなものだったんですか?

特に何も考えていなかったです。別にドキドキできればそれでいいやって思ってた。で、意外とそのまま来てますね(笑)。

-でも、もう10周年を迎えるわけじゃないですか。だから、武瑠さん個人としてもバンドとしても、未来像みたいなものを意識する時期なのかなって思ったんですけど、バンドとしてはこの先どうなっていきたいですか?

イ匹Δ覆蠅燭いイ噺世錣譴襪函難しい。昔憧れてた先輩とも進む道が違う気がするし、まだ自分たちが結局見つけられていないので、単独で行くしかないなって。自分たちのカルチャーを自分たちで作って切りひらいていくしかない。

-昔実験的なことをやって打ちのめされて、それが徐々に受け入れられてきて・・・というのを規模を大きくしてもう一度試したい?

そうですね。やっぱりドキドキさせたいし、何よりドキドキしたいんだと思う。結局、それだけなんですよね。すごく好きな音楽も飽きてもうやりたくないと思っちゃうかもしれないし。

-つねに新しいものを探す旅をしているみたいな?

そうだったと思います。

-9月2日に日本武道館公演が決まっていますが、やはりSuGにとって重要なライヴになるのでしょうか。

勝負です。バンドとしてターニング・ポイントになるだろうし、この10年間のすべてをかけて今までの自分たちを答え合わせしていきたいなと。この武道館ライヴには僕らの人生が詰まってる、そんな感じがします。

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LIVE
2017/3/9東京・恵比寿LOQUIDROOM
SuGの日 FROM PSC

39 LIVE ADDICT chapter1 THE BEST TOUR
2017/3/11(土)長野・松本ALECX
2017/3/12(日)新潟・新潟CLUB RIVERST
2017/3/17(金)千葉・柏Thumb Up
2017/3/19(日)北海道・DUCE Sapporo
2017/3/20(月・祝)北海道・DUCE Sapporo
2017/3/25(土)宮城・仙台darwin
2017/3/26(日)山形・山形ミュージック昭和Session
2017/4/14(金)神奈川・新横浜NEW SIDE BEACH!!
2017/4/16(日)静岡・静岡Sunash
2017/4/22(土)三重・松阪MAXA
2017/4/23(日)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2017/4/29(土)岡山・岡山IMAGE
2017/4/30(日)香川・高松DIME
2017/5/3(水・祝)宮崎・宮崎SR BOX
2017/5/5(金・祝)福岡・福岡DRUM Be-1
2017/5/6(土)大分・大分DRUM Be-0
2017/5/11(木)東京・渋谷TSUTAYA O-WEST(ファンクラブ限定)
2017/5/14(日)大阪・umeda AKASO

SuG
サグ 2006年に結成、武瑠(Vo.)、masato(Gt.)、yuji(Gt.)、 Chiyu(Ba.)、shinpei(Dr.)による5人組バンド。HEAVY POSITIVE ROCK を掲げ2010年メジャーデビュー。作曲はメンバー全員で行い、多彩な音楽ジャンルとの融合だけに留まらず、武瑠(Vo.)が各作品ごとにコンセプトを作り、作詞から基づいた世界観・ミュージックビデオ監督・衣装等のアートワーク全般を担当するという徹底したセルフプロデュースが特徴である。2012年12月29日の国立代々木競技場第二体育館公演を最後に活動休止するが2013年9月の原宿ゲリラライヴから活動再開、12月29日同じ国立競技場代々木第二体育館にて復活を遂げる。2017年3月8日に結成10周年を記念したベストアルバム『MIXTAPE』をリリース、3月11日から全国ツアー「39 LIVE ADDICT chapter1 THE BEST TOUR」が開催される。 https://sug-web.jp/