HOWL BE QUIETとウソツキをゲストに招きミニAL『CINEMA』のレコ発ライブを渋谷で開催したココロオークション

 4人組ロックバンドのココロオークションが去る2月17日に、東京・渋谷CLUB QUATTROでレコ発自主企画ライブ『ココロオークション presents 「PREMIUM AUCTION Vol.1」』を開催した。1月11日にリリースしたメジャー2枚目のミニアルバム『CINEMA』のレコ発ライブで、北海道、東京、愛知、大阪の4公演をおこなうというもの。この日はHOWL BE QUIETとウソツキの2バンドが参加。未来を代表する歌ものバンド3組で、会場を良質なメロディとビートで包み込んだ。

HOWL BE QUIET

 定刻を少々過ぎた頃、トップバッターのHOWL BE QUIETのメンバーがステージに登場した。竹縄航太(Vo.Gt.Pf)、黒木健志(Gt)、橋本佳紀(Ba)、岩野亨(Dr)の昨年3月にデビューした4人組ピアノロックバンドだ。

 オープニングを飾ったのは「From Birdcage」。ピアノの音色とバンドサウンドが見事に融合させ、唯一無二の世界観でライブを展開していく。「MONSTER WORLD」では鍵盤の前に座っていた竹縄も立ち上がり、熱量の高い歌を響かせた。また、昨年12月にリリースしたバラードナンバー「サネカズラ」では、この編成が生きる楽曲のひとつ。竹縄の凜とした歌声とピアノ音色が楽曲の世界観を際立たせていた。

 MCでは黒木が「自分の“ココロ”のオークション的にはまだ1300円って感じ。チケット代にはまだちょっと足りないな」と投げかけると、高揚感が煽っていくナンバー「Higher Climber」へ突入。自然と体が動かしたくなるビートで会場はヒートアップ。そして、「また遊びましょう!」とラストは「ライブオアライブ」を全身全霊で演奏。エネルギッシュなサウンドは瞬く間に、オーディエンスの心を掴み取った。トップバッターとして十二分なパフォーマンスを展開し、ステージを後にした。

ウソツキ

 2番手は“王道うたものバンド”のウソツキが登場。竹田昌和(Gt.Vo)、林山拓斗(Dr.)、藤井浩太(Ba)、吉田健二(Gt)の4人組。1曲目は「過去から届いた光の手紙」スポットライトを浴びながら歌う竹田。伸びやかな歌声からバンドサウンドがイン。安定したリズム隊、鮮やかに彩るギターが、歌とメロディの輪郭を浮かび上がらせた。

 竹田は「HOWL BE QUIET、ウソツキとココロオークションは、この先を代表する歌ものバンドになると思う」と歌ものバンドとしての自信を覗かせた。そのまま「旗揚げ運動」へ。<右手を上げて>とまさに旗揚げゲームのような展開でオーディエンスを楽しませていった。

 そして、この日は新曲「人生イージーモード」を披露。とびきりキャッチーで覚えやすいメロディ、「ここでみんなと一緒に歌いたい」と投げかけ、早くもフロアからシンガロングが巻き起こった。ウソツキは、オーディエンスを巻き込み方に力を感じた。仮にアウェイだとしても距離をゼロにするようにステージを展開。

 藤井と吉田によるテクニカルなソロの見せ場もあった「水の中からソラ見てる」、そして、「今日会えたことが嬉しいです」と竹田の言葉から「一生分のラブレター」、ラストは「新木場発、銀河鉄道」でウソツキのステージを締めた。

ココロオークション

粟子真行(Vo.Gt)

 大トリを務めるのは、今回のライブの主催者でもあるココロオークション。SEとともに青く染まるステージに登場した。1曲目は「ヘッドフォントリガー」。アッパーなナンバーでオーディエンスを煽っていく。バンドサウンドが席巻する中、粟子真行(Vo&G)の歌声は埋もれることなく存在感を放つ。一気にその声とサウンドによってココロオークションワールドに。

 「楽しもうぜ渋谷!」と続いてニューアルバム『CINEMA』に収録されている楽曲の中でも、ハードなナンバー「M.A.P.」へ。大胆でワイルドな大野裕司(Ba)のベースサウンドに、ブライトで鋭いアタック感を聴かせたテンメイ(Gt)のレスポールサウンド、井川聡(Dr)の迫りくるドラムサウンドが体を震わせ、ザラつきながらも透明感のある粟子の歌声が、ハードナンバーにも不思議な色気を感じさせる。それらが合わさり一つとなり、オーディエンスの感情を揺さぶっていく。

 MCでは「この日を待ってました! やっと届けられると思うと、今からワクワク、ウズウズしております。心を込めて演奏します」と粟子がレコ発ライブを楽しみにしていたことを話し、「夢の在り処」を届けた。オーディエンスも手をステージに伸ばすように掲げ、バンドの放つメッセージに答えているかのようだった。そして、再びニューアルバムから「ジグソーピース」を披露。自身の欠片を探し出すように歌い紡いでいく。

 再びMCへ。ここで粟子が本日出演したバンド2組へ感謝を告げる。そして、バンドとのエピソードと共に、ウソツキの「一生分のラブレター」やHOWL BE QUIET「ライブオアライブ」のワンフレーズをギターで鳴らしながら歌い、その後は「ここに在る」を演奏。軽快なビートに体が自然とリズムを刻んでいく。ラストのサビ前に粟子が「最高の景色を見せてくれますか!?」と投げかけ、さらに力強い歌声を届けていく。

 続いて、メジャーデビューミニアルバム『CANVAS』から「フライサイト」へ。前へ前へ迫りくるようなイントロから、上昇気流に乗って高く飛び出していきそうな感覚を与えてくれるようだ。そのサウンドによって、会場のテンションもどんどんと高まっていくのがわかる。そして、朝焼けのようなライティングと幻想的なSEが一気に世界観を変えていく。ミディアムバラードの「スノーデイ」を披露。情景が見えてきそうなドラマチックな楽曲と歌声は、聴くものそれぞれの“冬の日"を想像させてくれるようだ。

何気ない日常を歌っています

ライブのもよう

 粟子がレスポールからアコースティックギターに、チェンジし届けられたのは「Orange」。心の琴線に触れるような歌声が、会場を包み込む。言葉を噛み締めるように歌う姿が印象的だった。「何気ない日常を歌っています。電車の中から見える景色とか、ふと見上げた夜空が綺麗だったり、何気ない日々の中に、素敵なことがたくさん落ちているんだということを伝えたかったんです。だからきっとこの『CINEMA』が皆さんの心に寄り添ってくれると思います。あなたのそばにココロオークションの音楽をいつまでも置いてやってください」とニューアルバムに込められた想いを語り、本編ラストはアルバムのオープニングを飾った「星座線」。

 <大丈夫かい 元気でいる>と、手紙を読むかのような語りかけてくる冒頭の言葉が、グっとオーディエンスとの距離感を近づかせる。オーディエンスも空に広がる満天の星を掴もうとするかのように手を伸ばす。ステージからはその光景が瞬く星のようにも見えたのではないだろうか。

 アンコールを求める手拍子に応え、再びステージにメンバーが登場。粟子は「渋谷クワトロの舞台は友達のバンドが出演しているのを見てて、立ちたいと思っていたから今日やっとその念願が叶いました。見届けてくれて本当にありがとう」とこのステージへの想いを話した。そして、「PREMIUM AUCTIONは音楽に感動した僕らが、みんなにも音楽の素晴らしさを改めて感じて欲しいなと思って企画しました。タテ乗りで暴れるのもいいけど、直立不動で心に染み入るように、曲を聴いてもらうのも悪くないでしょ」とイベントの主旨を語った。

 「最後に僕らの大切な曲を置いて帰ります」と代表曲である「蝉時雨」を贈り届けた。何もない空間に音で絵を描いていくようだ。叙情的な切なさもあり、まさに寄り添うような音楽の片鱗を見せてくれた。オーディエンスも静かにその言葉と音を浴び続けているようだった。優しさが溢れるステージで『PREMIUM AUCTION』東京公演の幕は閉じた。

(取材=村上順一)

ライブのもよう 井川聡(Dr) テンメイ(Gt) 大野裕司(Ba) 粟子真行(Vo.Gt)
ライブのもよう ライブのもよう

セットリスト

ココロオークション presents 「PREMIUM AUCTION Vol.1」
2月17日 東京・渋谷CLUB QUATTRO

▽HOWL BE QUIET
01.From Birdcage
02.PERFECT LOSER
03.MONSTER WORLD
04.Dousite
05.サネカズラ
06.Higher Climber
07.レジスタンス
08.ライブオアライブ

▽ウソツキ
01.過去から届いた光の手紙
02.金星人に恋をした
03.旗揚げ運動
04.ボーイミーツガール
05.人生イージーモード
06.水の中からソラ見てる
07.一生分のラブレター
08.新木場発、銀河鉄道

▽ココロオークション
01.ヘッドフォントリガー
02.M.A.P.
03.夢の在り処
04.ジグソーピース
05.ここに在る
06.フライサイト
07.スノーデイ
08.Orange
09.星座線

ENCORE

En1.蝉時雨