北朝鮮の食糧事情はかなり改善したと伝えられているが、その流れから取り残されたままなのが軍隊だ。コメも肉も野菜も、市場でいくらでも買うことのできる民間人と異なり、兵士は配給に頼らざるをえないからだ。その軍隊の食糧事情が少しはましになったようだと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、優遇されている国境警備隊のみならず、一般の歩兵部隊にも食用油、魚のハタハタで作った塩辛などが配給されるようになった。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋も、一般の歩兵部隊の兵士にも1日にコメとトウモロコシが半々の穀物600グラムが配給されていると伝えている。それに加えて、ハタハタの塩辛と、ワカメまたは乾燥した大根の葉っぱ、それにスプーン1杯分の油が入ったスープも毎食ごとに出される。さらには豆腐ひとかけら、野菜、山菜のおかずまで出されるようになった。

昨年末まで、油入りのスープは夕食時だけだったことを考えると「大成果と言える」(情報筋)とのことだ。

食生活の革命的な改善に指揮官も兵士たちも喜んではいるものの、「どうせ一時的なものだろう」と思っているという。また、改善されたとは言え、依然として粗末な食事であることに変わりはない。

2002年に改定された後方供給規定(配給に関する規定)によると、兵士1人あたり1日に穀物600グラム、食用油60グラム、野菜と山菜1キロ、水産物600グラム、肉類300グラムを配給することになっている。熱量にすると3000キロカロリーに達する。しかし、このような規定は「絵に描いた餅」(情報筋)だ。穀物以外の配給量は、規定量の半分にも遠く及ばない。

兵士たちへの配給は、協同農場で生産される食糧に頼っているが、輸送過程で傷んだり、横流しされたりして、部隊に届く頃には量が大幅に減っている。空腹に耐えかねた兵士たちは、協同農場や民間人の家を襲い、食べ物を強奪していく。昨年8月に台風による大規模な水害が発生した被災地でも、略奪行為が起きている。

さらには、兵士が国境を越えて中国に忍び込み、強盗殺人事件を起こす事態も多発している。

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