家庭の悪臭でテスト成績が下がる(depositphotos.com)

写真拡大

 小学4〜6年生96人を対象にした不快臭の影響を世界で初めて実証した研究結果が昨年12月に公表された。この研究によると、「汗・体臭」「油臭」「カビ臭」などの悪臭が子供の集中力を1割以上も低下させることが明らかになったという。

 この研究は、杏林大学の古賀良彦名誉教授とプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社の共同研究で、「家庭におけるニオイが子どもの集中力に及ぼす影響」と題されたもので、いわゆる<不快臭>がどれだけ集中力を低下させるのかを〇劼匹發亮卒供淵▲鵐院璽函豊▲僖侫ーマンス(集中力テスト)集中力の差異・相違を表す脳波(脳波 P300測定)の3点で比較研究されたもの。

悪臭の代表選手は「汗・体臭」

 ニオイにもいろいろあるが、先行する実験で「汗・体臭」「油臭」「カビ臭」のうち最も悪影響のあった「汗・体臭」だった。このため<悪臭>の代表選手としては「汗・体臭」が採用され、<ニオイあり>と<ニオイなし>で比較されている。

 古賀氏によると、集中力とは<注意を持続できる能力>とのこと。そこで、集中力を測定するテストとして、注意力と持続力双方を測定できる計算テスト(内田クレぺリン検査)を採用、96人の子どもを対象にテストを実施した。

 ニオイありの正答数とニオイなしの正答数の平均を比較すると、「汗・体臭」の正答数は、ニオイなしの時は37.0点であったのに対し、汗・体臭のニオイがあることで、正答数は34.6点と大幅に減点となっている。

 次に、ニオイなしとニオイのある環境それぞれにおいてVAS(Visual Analog Scale)を用いて心理状態を聞くアンケートを実施。その結果、「気持ちのおだやかさ」「やる気」「集中力」などほとんどの項目において、ニオイなしと比べニオイのある時に 数値が悪化するという有意差(統計的に明確な差)が認められた。

 これらの結果から、ニオイは子どもの心理にも悪影響を及ぼしていることが明らかになったという。

 また、ニオイが子どもの集中力に影響を与えているかを脳科学の側面から検証すべく、6人の子どもを対象とした脳波測定を実施行した。その結果、集中力の指標である脳波「P300」の出現は、ニオイのある環境では低く、数値では10.8%も低下することが確認された。

 この結果から、ニオイが子どもの集中力を阻害することが脳科学の側面からも明らかになったという。
ニオイは光や音以上に集中力に影響する

 古賀氏は「ニオイは、視覚・聴覚より動物的な感覚です。というのも<瞬時に危険の有無>を判断するための感覚だからです。それだけ本能に近い感覚だからこそ、ニオイは人の"情緒、またそれに関連した認知能力・集中力" に影響を及ぼします。その影響力は光や音などよりも大きいのです」とう。

 さらに「普段ご家庭の中で生活をしていると、生活臭があっても鼻が慣れてしまうため、ニオイを意識しなくなります。鼻が慣れるというのは、嗅覚がそのニオイに身の危険を感じないというものです。一度注意する必要がないと脳が判断すると、人はそれに対して的確な行動をとらなくなります。 しかし、身の危険がなく、本人が意識しないニオイであっても嗅覚は確実に 反応し、ニオイを認知し続けている脳にマイナスの影響を与えている可能性があります。 そこで、勉強部屋やリビングなど「子どもが勉強する場所」の不快なニオイを取り除くことによって、子どもの脳によい影響を与えれば、勉強のパフォーマンスが 高まることが可能であると考えられます。」 (同)

 こうした研究を受けて、神奈川県を中心に首都圏で掃除サービスを提供する有限会社レインボウ・クルーは、新学期に合わせ、臭気判定士と掃除のプロがコラボしてニオイを除去する「子どもの勉強応援掃除サービス」を、2017年3月1日(水)〜4月30日(日)の2カ月間の期間限定で、首都圏で提供している。

 国家資格である臭気判定士とともに、家庭を訪問し、カーペット、ソファー、カーテンなど面積の大きい布製品を中心に、子どもが勉強する場所(子供部屋、リビング等)の、ニオイの発生源を調査・除去するという。

 掃除だけで子どもの集中力がどこまで上がるか興味のある方は試してみてもいいかもしれない。ゲームに対する集中力などもあがってしまう可能性もあるかもしれないが......。
(文=編集部)