昨年、食中毒が発生したブルガリのレストラン

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 高級宝飾品ブランド「ブルガリ」が、まさかの事態に陥っている。同社が営業する都内の飲食店「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」は昨年12月、49人の被害者を出した食中毒事件を起こした。その事件が和解していないどころか、いまだ大モメしていることが本紙の取材でわかった。世界的ブランドとは思えないズサンな対応に加え、当初の“隠蔽工作疑惑”まで浮上し、被害者側の怒りは募るばかり。今後の状況次第では、集団訴訟も辞さないという。被害者の一人A氏が本紙に怒りの告発だ――。

 ブルガリのレストランで食中毒が発生したのは、昨年12月11日のこと。この日、ある業界関係者を中心にしたパーティーが盛大に行われていた。出席者は男性63人、女性53人。有名タレントが司会を務め、宴席は大いに盛り上がったという。ところが翌日、複数の出席者が下痢、嘔吐、発熱などの症状を訴えた。原因はノロウイルスだった。

 A氏が証言する。

「症状が出た段階でブルガリ側に問い合わせをしました。そしたら『(1次会の)ブルガリレストランではなく、2次会の飲食店が原因なんじゃないか?』と反論してきたんです。でも2次会不参加の方も症状を訴えているので、結局ブルガリレストランが原因だと判明しました」

 すると、驚くべきことにブルガリ側は「保健所を入れないで独自の調査をする」と主張してきたという。これにはA氏も耳を疑った。

「超一流ブランドの名前に傷がつくのを恐れたのでしょうか。隠蔽工作しようとしたとしか思えません。驚くと同時に、怒りを禁じえません」

 業を煮やした複数の被害者側が13日に保健所に通報、中央区保健所が調査に入った。その結果、ブルガリ側が提供した食事が原因だということがわかり、同社は同月20日から3日間の営業停止を命じられる。被害者は累計49人に上り、ブルガリ側の調理者4人からもノロウイルスが検出された。

 東京都福祉保健局健康安全部食品監視課の担当者の話。

「このような場合、飲食店は迅速に保健所に通報する義務がある。原因がわからないと被害が拡大するからです。特に冬場はノロウイルスが流行しやすい。高齢者や乳幼児だと重篤になることも考えられますからね」

 実は、今回のパーティーには90代の出席者もいた。幸い無事だったが、一歩間違えば取り返しのつかない事態に発展した可能性もある。にもかかわらず、ブルガリ側が営業を自粛したのは16日から。被害発生から4日間も通常営業を行っていたのだから驚かされる。それだけではない。A氏が続ける。

「すぐに代理人弁護士が『治療費は出す』と言いだした。それは当たり前の話。こちらが仕事ができなかった期間に対する補償を相談すると『どのぐらい業績が落ちたか、計算できないので払えない』と返ってきた。でも、それはマズイと思ったのか、今度は『1人一律5万円でいかがですか?』と交渉しだしたんです。これらのやりとりはすべて電話。普通ならまず責任者が来て、被害者一人ひとりに対面謝罪し、それから交渉なのでは? あまりに礼を失していて、みなさん怒っています」

 ラチがあかないため被害者側は、集団訴訟も視野に入れる構えだという。

 本紙はブルガリの代理人弁護士に一連の経緯について事実確認の質問状を送った。するとブルガリ・ジャパン株式会社から下記のとおり謝罪コメントが寄せられた。

「今回の事態を重く受け止めております。多大なるご負担とご迷惑をおかけしたお客様、そのご家族および関係者の皆様に、心よりお詫び申し上げます。弊社にとってお客様の安全、安心、そして健康は最優先事項です。弊社は引き続き当該飲食施設における衛生管理を徹底するとともに、再発防止に向けて対策を講じており、今後とも全力を尽くしてまいります」

 これまでの経緯については「体調を崩されたお客様お一人お一人へのご説明や協議を最優先事項として対応していく」ため「コメントを控えさせていただく」とした。

 世界に名だたるブランドが取った行動は、あまりに常識はずれとしか言いようがない。