ゲーム好きな女子、集まれ!

4年前の夏、Laila Shabir(レイラ・シャビール)さんはふと女の子だけのゲーム開発ワークショップを開催しようと思い立ち、こう呼びかけました。Polygonの取材によれば、30人の定員に対して応募してきたのは80人超。初めての試みだったにも関わらず爆発的な人気で、3日で応募をしめ切ったそうです。

かくして、Girls Make Games(直訳:ゲームを作る女の子)は誕生しました。最初の夏休みにカリフォルニア州マウンテンビューに集まった10〜16歳の女の子たちを待ち受けていたのは、容赦なく実践的なゲーム開発の一連作業。5〜6人のチームになって3週間以内にどんなゲームを作るかブレストし、計画書を書き上げ、プログラミングを学び、音楽や美術を提供してくれる人材を求め、ゲーム開発を進めてテストやデバッグまでこなし、さらには自分たちが創り上げたゲームを業界のプロである審査員の前でプレゼンし、納得させなければなりませんでした。でも、一番評価が高かったゲームはKickstarterで出資を募る権利を与えられるのです。そして目標額を達成できたら、そのゲームを商品化してもらえる特典も!


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こちらは初年度の最優秀作品賞「The Hole Story」で、3万ドル(約300万円)の資金を集めた冒険ファンタジーRPG。実際にSTEAMやitch.ioで販売中です。あの夏、サマーキャンプでゲーム作りに励んだ女の子たちの夢と努力の結晶です。

そもそもShabirさんが経営するゲーム製作会社LearnDistrictもKickstarterから始まりました。発足当時のメンバーは10人足らずで、Shabirさん以外全員男性。会社を育てていく上で新しいプログラマーを雇用する際には女性限定で探したものの、なかなか見つからなかったとPolygonは伝えています。アメリカのゲーム業界で働く人材は男女の比率が80/20だそう。数少ない女性プログラマーは、ほぼ全員がシリコンバレーの大手企業に流れてしまう現状を打破しようとShabirさんが思い立ったのが、Girls Make Gamesでした。

最初のキャンプが大成功をおさめて以来、全米20都市で年間を通して女の子のためのゲーム開発の有償プログラムを手がける一方、世界各地でも同様のイベントを開催しているそうです。サマーキャンプは今年で4年目を迎え、プレイステーションを手がけるソニー・インタラクティブエンタテインメントが新しくスポンサーに加わったとのこと。そしてサンマテオの本社ビルにて行われる予定で、参加希望者には奨学金も用意されるそうです。

Shabirさんは2020年までに100万人の女子中高生に受講してもらう目標を掲げています。以前にも「2020年までにプログラマーの半分が女性」を目指すNPOが紹介されましたが、女子に焦点を当ててプログラミング教育を行う団体が増えれば、ゲーム業界も、広義のテック業界でも、女性の視点から新しい価値を見出せるかもしれません。


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・8才から遊んで学べるロボット・プログラミングキット「KOOV」


image: Girls Make Games, LearnDistrict
source: Polygon 1, 2
reference: STEAM, itch.io, LearnDistrict

(山田ちとら)