安倍晋三首相(写真:ロイター/アフロ)

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 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 森友学園をめぐる問題が迷走しています。3月10日、森友学園は大阪・豊中市の元国有地に建設を進める「瑞穂の國記念小學院」の設置認可の申請を取り下げ、籠池泰典理事長は退任の意向を表明しました。もちろん、数々の疑惑は残ったままです。

 国会でも問題になっているのは、「国有地を森友学園に払い下げる経緯で、安倍晋三首相の口利きがあったのではないか」という疑惑ですが、ほかにもたくさんの問題が噴出してしまいました。

 しかし、テレビなどが毎日のように報道している中には「噂」レベルのものもあるようです。どこまで本当かわかりませんが、よくまぁここまで出してくるものだ、といった感じです。

 こうなると収拾が難しくなりそうですが、神澤は同學院に入学予定だった児童とその保護者の方々が一番の被害者だと思っています。同學院については、昨年「フライデー」(講談社/12月23日号)が「来春大阪に開校 安倍昭恵首相夫人が名誉校長になる『愛国主義』小学校の理念」と報道していますが、当時はインターネットで話題になっただけでテレビなどはスルーしていたと記憶しています。

 3月8日の衆議院の文部科学委員会の答弁によると、2月末の時点では、厳正な試験と面談により入学を許可されていた新1年生は40名、新2年生は5名で入学金も納めていたそうです。

 それが、3月3日の時点では辞退者が続出して新入生は20名になり、5日の入学説明会では5組の参加者しかいなかったことが明らかになりました。他人事ながら、入学金が返還されるのかどうかも心配です。一般的には入学辞退者の入学金は返還されませんが、今回は事情が違います。

 同學院の認可申請が取り下げられる前、文科省は大阪府からの認可が下りなかった場合には辞退者を含めて入学金を返還するように森友学園に指導し、該当の児童には住所地の区域内の公立小学校への入学手続き準備やスクールカウンセラーによる精神面のケアなどで対応していくとしていました。

 本来なら、今頃は「ピカピカの1年生」になるのを子どもたちが心待ちにしている時期です。ランドセルを机に置いて、毎日ワクワクしながら眺めている子も多いと思います。

 すでに入学準備として就学前健康診断や制服・学業品の購入を始めている時期に、急に入学先の学校が変わるという現実を6歳の子どもが受け入れられるのでしょうか。

 それに、別の学校に行っても“風評被害”でいじめられてしまうかもしれません。報道が過熱すればするほど、不安が大きくなります。

●安倍首相、“逆ギレ”衆院解散&総選挙も?

 こうなってくると、衆院解散と総選挙にも関心が集まります。

「森友問題、おたくの政党はどこまでやるつもり? このままだと、本当に“アッキード解散”になっちゃうよ」

 政党の違う国会議員が集まると、こんなことを言い合っています。「森友解散なんて勘弁してよ」と頭を抱えている議員もいます。

 自民党の中にも、今さらながら「早々に籠池氏の参考人招致をすべきだった」という声が出てきています。そもそも、国民がこの問題に強い関心を持ったのは、自民党が参考人招致に応じなかったことも大きいです。「何か隠しているんじゃないか?」と疑問に思ったのでしょう。さらに、元防災担当大臣の鴻池祥肇議員の「コンニャク発言」で疑惑が急展開してしまいました。

 しかし、実際には今期で引退との噂のあった鴻池議員が「ある大物をかばっている」との説も出ています。この大物の名前が出れば、間違いなく安倍政権はひっくり返ります。

 大阪府の松井一郎知事も参考人として国会で発言することに前向きなようですし、森友問題にまったく関係のない国会議員たちは、「関西人同士のバトルが見られそうだ」と楽しみにしているのです。

 年内の解散総選挙はないとの見方が広がっていたのですが、森友学園問題の追及がこれ以上厳しくなって安倍首相が追い詰められてしまうと、どうでしょうか。すでに、永田町には不穏な空気が漂い始めています。

 5月下旬から6月にかけて、安倍首相が「国民の真意を問いましょう」と「逆ギレ解散」に踏み切るかもしれないという噂もまことしやかに流れていて、秘書たちも油断できない状況です。
(文=神澤志万/国会議員秘書)