HOWL BE QUIET(写真=ヤオタケシ)

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 HOWL BE QUIETが3月18日、赤坂BLITZにて『pre-HOLIC TOUR』初日公演を行った。

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 彼らは先日、メジャー1stアルバム『Mr. HOLIC』を5月24日に発売することを発表。本公演はその前哨戦にあたり、デビュー1年を迎えたバンドの成長した姿と『Mr. HOLIC』の世界観をライブというかたちで各地に届けるものだ。

 この一年、様々な表現方法を通してジャンルに捉われることなく自由に音楽を生み出し、楽しむことを提唱してきたHOWL BE QUIET。今回もそのスタンスは保ちながらも、改めて歌の素晴らしさやメロディセンス、巧みなアレンジ力を伝える、ポップミュージックを奏でるバンドとしての強度を感じさせる公演となった。

 「MONSTER WORLD」や「Wake We Up」といったシングル表題曲はもちろん、「レジスタンス」や「Higher Climber」といった楽曲もライブを盛り上げるキラーチューンとして一段と育ってきた印象。また、この日披露された楽曲の中にはライブにより異なるアレンジを施していたり、イメージを変えているものもある。ライブの回数や活動年月を重ねバンドが成長していくのとともに、それぞれの楽曲が進化していくのも楽しい。赤坂BLITZはワンマンライブでの最大キャパとなるが、彼らの楽曲は広い会場もよく似合う。

 そして、3rdシングル曲「サネカズラ」は『Mr. HOLIC』の世界観にも通じるであろう、バラードナンバー。言葉や音の一つひとつを丁寧に届けるボーカル竹縄航太の歌声とそれを支えるバンドの演奏からは、HOWL BE QUIETが本来持ち合わせる繊細さ、せつなさを感じとることができた。ビートに身を委ねて踊る曲も、じっくり歌を聴く曲も、その中心にポップミュージックとしての強さがあれば違和感なく共存できる。それを証明するかのような、今のバンドのモードが詰め込まれた全17曲を披露し、ツアー初日を終えた。

 HOWL BE QUIETは、2016年3月9日にシングル『MONSTER WORLD』でメジャーデビュー。そのリリース前にも『チャンス到来TOUR〜決戦前夜編〜』と題したライブを通して、いち早くリスナーにその世界観を提示していた。制作と並行してクオリティの高い実演の準備を進めることのハードルは高い。しかし、それをやり遂げるバンドはバンドとして信頼できるし、リリースされる作品への期待もぐっと高まる。CDリリース後、ツアーで新曲群をお披露目という流れが通例となるシーンにおいて、まずはライブでバンドが表現したいことを伝えるということは、とても誠実な取り組みだと思う。ここから始まるツアーを経て届けられる『Mr. HOLIC』と、その後の彼らのライブが早くも待ち遠しくなるライブだった。(久蔵千恵)