Doctors Me(ドクターズミー)- 若い女性が早発閉経を起こす4つの原因 気になる妊娠への影響とは?

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妊娠したわけではないのに、生理がこなかったりする場合、早発閉経の危険性が考えられます。

平均では50代あたりから始まる閉経ですが、早期に起きてしまう原因は一体何なのでしょうか。

今回は、早発閉経の定義、原因、妊娠への影響や予防対策などを医師に解説していただきました。

早発閉経とは


閉経とは1年以上月経がない状態を言い、日本女性の閉経年齢は45〜56歳程度、平均は50歳と言われています。日本産科婦人科学会では43歳未満で閉経があった場合を早発閉経と呼んでいます。

早発閉経では卵巣内の卵子が枯渇し、治療不可能、非可逆性の卵巣機能喪失が起こっているとされていますので、自分の卵子での妊娠は不可能で、その前段階が早発卵巣不全です。

早発卵巣不全では40歳未満で月経がなくなりますが、わずかに卵子が残っている場合があり、妊娠可能なこともあります。

早発閉経の原因


■ ターナー症候群※などの染色体異常
(※ターナー症候群:女性では通常性染色体としてX染色体が2つありますが、そのうちの1つが生まれつき欠落している状態)
■ 自己免疫機能の異常
■ 手術で卵巣の腫瘍を取った
■ 白血病などのがんに対して抗がん剤での化学療法、放射線治療を行って卵巣にダメージが加わった

他にも、原因不明のこともあります。

早発閉経の兆候や自覚症状


月経の頻度が数カ月に1回など少なく(稀発月経)、不順であることが多いです。月経の出血量や痛みなどの自覚症状では判断できません。

早発閉経で懸念される疾患


早発閉経では、以下のようなリスクにさらされる年数が通常より長くなるため、より積極的な治療が必要とされています。

更年期障害


早発閉経に限ったことではありませんが、女性ホルモンのエストロゲンの分泌減少によって、発汗、気分の不安定といった更年期障害症状が現れます。

骨粗しょう症


骨強度が低下し骨折しやすくなる骨の病気です。女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏により、骨量が減少することが原因です。

高血圧


血圧が高すぎる状態のことを高血圧と言い、常に血管に負担がかかることによって、心疾患などが起こりやすくなります。

脂質代謝異常


血液中にコレステロールや中性脂肪の値が異常に多い状態を指します。動脈硬化を進ませる原因にもなります。

動脈硬化


動脈が固くなって、血液をスムーズに流せない状態を動脈硬化と呼びます。脳血管障害や心筋梗塞などの命の危険に関わる場合もあります。

早発閉経の治療内容


通常の更年期女性と同様に、欠乏している女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を補う治療を行います。

骨粗しょう症に対してはビタミンDやカルシウム、骨の破壊を抑制して骨量を保つような薬の投与が行われます。

また、脂質代謝異常に対する血液検査や血圧測定を定期的に行い、動脈硬化に対して食事、運動、薬での治療を行います。

早発卵巣不全の方が妊娠を希望される場合


カウフマン療法などのホルモン治療を行い、ゴナドトロピン(下垂体が卵巣を刺激するために放出するホルモン)を低下させます。

月経周期に合わせて成長する卵胞がないかを注意深く超音波検査で確認し、発育してくる卵胞があれば排卵誘発を行い、タイミング治療、人工授精、体外受精といった不妊治療を行います。

早発閉経における妊娠


既に閉経してしまっている早発閉経の方が妊娠するには、他人の卵子を提供してもらい、夫の精子と受精させて子宮に移植するしかありませんが、日本では認められておらず、アメリカなど外国で行うことになります。

早発閉経の方でも子宮に疾患がない場合は、ホルモン剤で子宮内膜を育てて受精卵を移植することは可能です。

また、早発卵巣不全の方の場合は、不妊治療を行います。

早発閉経を予防するためのアドバイス


月経周期を把握し、基礎体温を記録するなどして排卵が正常にありそうかを知っておきましょう。

卵巣にどの程度の卵子が残存しているかどうかは、AMH(抗ミュラー管ホルモン)やゴナドトロピンを血液検査で知ることである程度推測できます。

また、ご自身が早発卵巣不全や早発閉経ではないかご心配な場合は婦人科でご相談頂き、診断が下って妊娠を希望される場合は早期に不妊治療を行う必要があります。

最後に医師から一言


若い女性に抗がん剤治療や放射線治療を行い、卵巣機能が低下することが予想される場合には、未受精の卵子をあらかじめ取り出しておき、凍結保存してから抗がん剤や放射線治療を行うということが近年可能になっています。

そのためにがん治療が多少なりとも遅れることになるため、患者さんの希望があっても行うことができない場合もありますが、希望される場合は一度担当医にご相談頂ければと思います。

(監修:Doctors Me 医師)