妻夫木聡にはジョーズ柄の水着をプレゼント

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 236分のデジタルリマスター版で25年ぶりにスクリーンに復活する、台湾の巨匠エドワード・ヤンの傑作「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」の舞台挨拶が3月14日、東京・角川シネマ有楽町で行われ、来日した主演のチャン・チェン、同作のプロデューサーのユー・ウェイエン氏が登壇。チェンは、自身がスクリーンデビューを飾った本作について「自分の人生にとって特別な存在。この作品がなければ、今の仕事についていなかったと思います」と思いの丈を述べていた。

 今作は、第4回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、ヤン監督初の日本公開作品として1992年に劇場公開。1960年代の台湾・台北で、不良少年グループがひとりの少女をめぐって対立し、ついには殺人事件へと発展してしまう。ヤン監督が他界する直前まで仕事を共にしていたウェイエン氏は「作品の軸となるのは恋愛のもつれというシンプルなものかもしれないが、ヤン監督はその背景にある時代の記憶、雰囲気を重視したかったはず」と分析していた。

 主人公のシャオ・ツーを演じたチェンは、実際の父や兄、そして母と共演。当時は演技とは何かを模索中だったため、リアルと虚構が入り混じった状況に「困惑していた」と話したが、「今思い返してみると素晴らしい経験だった。一つの作品の中に家族の姿がとどめられたというのは何よりも得難いことだと思います」と語っていた。

 この日は、ホウ・シャオシェン監督作「黒衣の刺客」(2015)でチェンと共演した妻夫木聡が、本作の再上映を祝福するためにサプライズで登場。妻夫木は「長尺を感じさせない作品自体が持つ力に圧倒されました。特に光と闇が印象的」と本作を絶賛。「最近の映画は主観的にとらえているものが多い気がしています。この作品は色んな視点を持ち、客観的な方法で物語を見せてくれる。こんなにも様々な“顔”を持った作品はなかなかないんじゃないかな」と熱弁していた。

 妻夫木が「(チェンは)アクティブでユニーク。本当にいい人です!」とべた褒めすると、チェンは「実はプレゼントを持ってきたんです」とニッコリ。 そして、第40回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞の獲得を祝して妻夫木に手渡されたのは、妻夫木が勝負パンツの柄にしている「ジョーズ」をプリントした水着。「本当は下着にしたかったんですけど、勝負パンツをお持ちだと聞きました」とチョイスの理由を明かしたチェンに対し、妻夫木は「『ウォーターボーイズ2』でもやれと言われるのかと思った」と切り返し、観客の笑いを誘っていた。また、本作の撮影にも立ち会った永瀬正敏からチェンとウェイエン氏に花束が届いていた。