【詳細】他の写真はこちら「Listen with」レギュラーオンエア第二回

ニコラス・エドワーズ

定額制音楽配信サービス「うたパス」及び「KKBOX」にて行われている「Listen with」イベント。


「Listen with」とは、アーティストの選曲したプレイリストをユーザーがリアルタイムで聴きながら、本人ともチャットができるコミュニケーション機能だ。


レギュラーアーティストとして、同イベントを開催してきたニコラス・エドワーズ、通称ニック。昨年12月に初めて「Listen with」を開催し、1月から月1レギュラーアーティストとして3ヵ月連続でイベントを開催する。今回のプレイリストのテーマは「異次元へDRIVE〜過去編〜」となっており、洋楽・邦楽、さらに世代も飛び越え、予測不可能なDJでファンとの交流を楽しんだ。本人のインタビューと合わせてレポートをお届け。


INTERVIEW & TEXT BY 永堀アツオ




たくさんの日本の音楽を聴いて、日本語を覚えました


「僕の歌のお父さんです」と紹介したフランク・シナトラやベン・E・キング、ビリー・ホリディやディオンヌ・ワーウィックなど、ニックの音楽的ルーツであるアメリカのスタンダードナンバーに加え、「ホストファミリーにもらったテープに入っていた」という風や猫、かぐや姫やザ・フォーククルセイダーズなど、ニックと同世代の日本の若者はおそらく聴いたことがないような70年代の日本のフォークミュージックも紹介。



PCを操り、チャットにいそしむニック

チャット欄に「なんでこんなに古い曲を知ってるの?」という驚きの声が挙がるなか、「年齢詐欺してる?」という疑惑まで浮上。ニックは笑いながら「こういうふうにたくさんの日本の音楽を聴いて、日本語を覚えました」と返したが、さらに、ザ・ドリフターズ「ズンドコ節」ではコメント欄がハテナで埋め尽くされ、昭和7年に発表された藤山一郎「影を慕いて」を流すと、「古すぎ!(笑)」という声で溢れかえった。


「みんなとの時間が楽しい」と語りながら、1曲1曲の魅力を丁寧に解説したニックは、スタジオに用意された鉱物のアボガドチーズバーガーを食べることを忘れるほど没頭し、あっという間に放送は終了。アメリカや日本だけでなく、フランスのシャンソン、イタリアのカンツォーネ、南アフリカのポップスなど、時代も国境も越えた幅広いで選曲で、テーマ通りに異次元へと連れていってくれた1時間半だった。



真剣な表情で曲の解説も盛り込む!

ひいおばあちゃんさえもまだ生まれてない時代の曲


──レギュラー2回目を終えたばかりの感想から聞かせてください。


ニコラス・エドワーズ(以下、ニック) 去年の12月に単独でやらせていただいたときに、一緒に音楽を聴いている人と交流できる仕組みに新しさを感じたし、本当に面白いなと思って。やればやるほど楽しくなっていくし、今回も時間が足りないくらいでしたね(笑)。


──(笑)。1時間半で30曲近く選曲しましたが、シーアやドレイク、チェインスモーカーズなどの現代のアメリカのヒット曲を中心とした前回とはまったく異なるセットリストになってました。


ニック 前回と今回を合わせたテーマが“異次元へドライブ”で、前回は現代の曲だけど、異次元感のあるサウンドや歌詞の世界観をもった曲を集めて、自分が普段置かれている環境とは違う空間を届けられたらいいなと思っていたんですね。今回はまた違う意味での異次元で。僕自身どころか、ひいおばあちゃんさえもまだ生まれてない時代の曲もありましたけど。



ファンとのやり取りに思わず笑顔

──年齢詐欺っていう疑惑も上がってました。


ニック あはははは。アーティストだからという前に、元々音楽が本当に好きなんですよ。今の音楽も好きですし、今の音楽の基盤となった30年代から50年代、いわゆるスタンダードナンバーと呼ばれている曲たちが生まれた時代は知っておくべきものだとも思ってましたし、J-POPを調べていくなかでは、当然、美空ひばりさんにも出会いますしね。皆さんに新しい発見をしていただける選曲だったら嬉しいです。



チャット画面にはファンからたくさんのメッセージが!

人間の芯にあるものは“One World, One Love”


──それにしても、よく古い曲を知ってますよね。


ニック 小さい頃に家からバスと電車を乗り継いで1時間くらいのところに大好きなレコード屋さんがあったんですよ。そこは、レコードを試し聴きできるリスニングルームが3室あって。普通のレコード屋さんはだいたい15分とか決まっているんですけど、そこを経営していたおばちゃんと仲良くなって、1日中貸してくれたりしたんですね。10歳か11歳の頃かな。すごく古い曲はそこで知ったし、レコード店で知ったアーティストのバックボーンを調べていくなかで、その時代に流行っていた名曲が出てきたり。そこは、もう親も共感できない域でしたけど(笑)、ひたすら聴いてましたね。


──日本のフォークソングもたくさんかけました。「風は、かぐや姫の伊勢正三と猫の大久保一久のコンビ」というコメントもしてましたが、ニックは同世代の日本の若者も知らないところまで掘ってますよね。


ニック それは、アメリカで生まれ育ってよかった点かもしれないですね。言葉や音楽、すべてを知りたいという好奇心が強かったから。もしも日本で生まれ育ってたら、昔のものを知るきっかけが逆になかったかもしれないですし、そこまで、頑張って調べたりすることもなかったかもしれないですね。



子供の頃に想いを馳せる

──そして、「イムジン河」では、“One World, One Love”という大きなメッセージを投げかけました。


ニック 僕にとっては不変のテーマですね。今、世界中で人間と人間が意思の疎通ができない時代を迎えているけれども、音楽はどんなときでも人と人を繋ぐ力を持っているんだっていうことを示せたらいいなと思ってたんです。例えば、「イムジン河」が発売された時代は、北朝鮮と韓国で起きてた出来事が日本語に訳されて、多くの人の心を動かした。人間が作り出した言語と文化によって壁が生まれてるけれども、音楽はその壁を乗り越えることができるし、人間の芯にあるものは“One World, One Love”だと思う。


17歳までアメリカで生まれ育った人間が、今、日本でアーティストとして活動させてもらって、いろんな音楽をみんなに聴いてもらえる恵まれた機会を与えてもらってる。だからこそ、この機会を最大限に生かして、軽やかな気持ちで楽しみながら、終わったときに、何か少しでも印象に残るものがあればいいかなと思いましたね。



音楽に対する熱い想いを語る

人間として、これ以上に幸せなことはない


──意外な選曲に驚きながらも、最後は感動する構成になってました。最後に、本イベントの魅力を教えてください。


ニック 音楽は人と人を繋ぐものだと思ってるんですけど、今のようにネットが当たり前になる時代までは、音楽が好きだという気持ちだけで繋がっていたと思うんですね。でも、今はこの「うたパス」や「KKBOX」のように、直接的に交流ができたり、言葉を交わすことができる。まだ飛行機もなくて、日本に来るだけでも船で数ヵ月もかかるような時代から、2017年の今、世界各国でネットというツールを通じて、各地の人間に音楽を、メッセージを届けることができる。


臭い話ですけど、様々な音楽や僕自身の言葉を通して、愛と平和というものを広めていけたら、アーティスト以前に人間として、これ以上に幸せなことはないなと思うので、僕が少しでも力になれるようなことがあれば、全力を尽くして頑張りたいと思いますね。



第二回は無事に終了!

なお、ニコラスは「Listen with」のレギュラー最終回となる3月15日にライブDVD&Blu-ray「Nicolas Edwards MOTION 2016 Video Document」をリリース。4月からはキャリア初となるアコースティックツアーも決定している。



プレイリスト


テーマ

「異次元へDRIVE〜過去編〜」


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ライブ情報


ALIVE Sessions: Acoustic Tour Spring 29


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プロフィール


1992年7月31日、米国オレゴン州ヒルズボロに生まれ。幼いころから日本語を学び、2011年に日本テレビ系「のどじまんTHEワールド!」に出演し、注目を集める。2016年にフルアルバム『GO EAST』と『GO WEST』を発売。


オフィシャルサイト



リリース情報


2017.03.15 ON SALE

DVD&Blu-ray「Nicholas Edwards MOTION 2016 Video Document」

PONY CANYON