朝鮮人民軍第525軍部隊直属特殊作戦大隊を現地視察した金正恩氏(2016年11月4日付労働新聞より)

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北朝鮮の金正恩党委員長は今月1日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対して「戦闘動員態勢」を命じた。これは米韓合同軍事演習「フォールイーグル」と「キー・リゾルブ」に対抗するための措置だ。

命令を受け、北朝鮮では全軍が警戒態勢に入ったが、その内情はお粗末極まりない。装備が著しく不足しているため、塹壕すらまともに掘れない状況だというのだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、鏡城(キョンソン)郡駐屯の朝鮮人民軍第9軍団は、部隊対抗の塹壕掘り大会を開催することにした。各部隊から選抜された力自慢の兵士たちは、日々塹壕掘りの練習を積み重ねた。また、各部隊は商人を通じて、中国から軍用のシャベルを特別に取り寄せた。

このように万全の態勢で競技に臨もうとしていた各部隊に、青天の霹靂とも言うべき知らせが届いた。

第9軍団の司令部が突如として、競技での外国製のシャベルの使用を禁止したのだ。その代わりに国産のシャベルを支給した。その理由について情報筋は言及していない。

大会は今月5日、漁觔(オラン)飛行場のそばで行われた。競技は深さ1.2メートル、直径1メートルの塹壕をいかに速く掘るかというものだったが、始まった直後からシャベルの柄や本体が折れたり、曲がったりする事態が続出した。結局、競技が続けられなくなってしまったため、大会は途中で切り上げられた。

現地の別の情報筋によると、この大失態は中央に報告されており、誰かが必ず責任を取らされ、処罰されるだろうとのことだ。

本来、シャベルは兵士1人あたり1本が支給されることになっているが、実際は1分隊( 12人)に3本しか支給されず、2000年以降に生産されたものは鉄がもろく、まともに使える代物ではないというのだ。

それでも支給されるだけましで、歩兵部隊や山岳警備隊以外の部隊には全く支給されない。工兵部隊にすら支給されないとのことだ。そのため、兵士たちは自費で購入したものを使わざるを得ない有様だという。