宮野真守、映画『SING』で音楽の力を実感:ヒツジのエディに込めた想い

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ダ射コΔ硫子イ半里気譴覦貶、俳優や歌手などアーティストとして活躍する宮野真守が、アニメーション映画『SING/シング』の日本語吹替に挑戦した。

動物だけが暮らす世界が舞台となる本作は、現実の壁に直面する動物たちが、歌のパワーで自信を得て、本来の自分を見出すまでを描く感動作だ。宮野は、主人公バスターの大親友である羊のエディの声を演じている。本作に出会った感想などを質問した。


(C)Universal Studios.

―本作は、大切な劇場を立て直すために、コアラのバスター・ムーンが仕掛けるたくさんの動物たちに向けた“歌のオーディション”の物語で、誰もが歌い出したくなるに違いないミュージック・エンターテインメントでした。

本当に面白い作品ですよね。こんなにすごいエンタメ映画が作れるんだって、すごく感動しました。数々の楽曲を聴くだけでテンションが上がりますが、それを動物たちがかわいく表現してくれていますよね。そこに心もほぐされつつ、物語が持っている真のメッセージ性に心打たれる。いろいろな感情が観た後に生まれましたね。本当に歌の力、音楽の力を感じさせてくれるので、そういうメッセージにもグッときました。

―主人公バスターの大親友エディ役は、演じてみていかがでしたか?

エディとバスターの関係性が、すごく素敵だなと思いました。お互いに足りない部分を補い合っていると思いましたし、エディはバスターの相談相手で彼を支えているようにも見えますが、実はボンボンで親のすねかじり(笑)。今は夢を持てず何もしていないから、上手くいかないけれど夢に向かって突き進んでいるバスターに、ちょっと憧れているところもあると思うんですよね。

―なるほど。その想いを念頭に置いて観ると、後半のエディの行動が感動を呼びますね。

そうですね。自信満々に突き進んでいたバスターがドン底まで落ち込み、立ち直れないくらいになった時、エディがそのバスターに手を差し出す。観ていて人として刺激を受けるシーンが多いので、そういうシーンは演じていてこみ上げてくるものがありました。だから人間性、いや動物性(笑)? エディに教えてもらうことも多かったと思いますね。

―また、エディの声が、普段のそれとは全然違いましたね。コツなどはありますか?

僕自身は色々な声で演じようとは思っていなくて、いろいろな声が出るとも思っていないんです。今回のエディも元々のジョン・C・ライリーさんはもっと恰幅が良く、渋い声ですが、その声は僕にはない。だからオリジナルに寄せることは、そもそもしなかったんです。僕の声の範囲内で、エディという存在感を演出していけたらいいなあという思いのもと、あのエディになりました。だから、声をすごく変えているわけではないんです。

―つまり、メンタルを寄せていったようなイメージですね。

そのキャラクターの年齢などによって自分なりに考えたりもしますが、どちらかというとメンタルで導き出すことが多いですかね。エディの性格などから導き出される弱々しいところなどが、お芝居につながっています。声が裏返ってしまうシーンなど、過保護に育てられてきたドラ息子的なヒツジ感が出ていると思います(笑)。そういうところから出てくると思ったので、その点は強く意識しましたね。

―ちなみに、エディ以外で気になるキャラクターはいましたか?

バスターです。映画を観てすぐには内村さんが声を演じているのがわからなかったくらいフィットしていました。子どもの頃から観させていただいている憧れの内村さんと大親友役を演じられるという、その感触を噛みしめながら演じていました。本当に魅力的ですよね。ゾウのミーナの歌声もハンパない! もともとのトリー・ケリーさんも日本版のMISIAさんも圧倒的なので、これは感動しますよ!

―そういえばエディ以外のキャラクターを演じていて、しかも歌っているそうですね?

そうなんです。実はエディは歌わないので、ぜひ歌う役柄をということで、ほんの一瞬ですが、オーディションのシーンに登場するかたつむりのレイというキャラクターでワンフレーズ歌っています。邦題では『風立ちぬ』というクリストファー・クロスさんの歌を歌わせていただきました。最後、クライマックスのほうでもミーナの曲にちょっとだけ参加するので、そういう意味でもレイは注目してほしいキャラクターですね(笑)。


(C)Universal Studios.

―この映画が投げかけるメッセージで、何か響いたことはありましたか?

バスターはおんぼろ劇場の支配人ですが、「落ちたら後は上がるだけ」って、前向きに進んでいくんですよね。それにエディは心配しながら付いていくんですけど、そのバスターの想いは誰の胸にも響くような気がします。誰しもそういう経験があるだろうし、僕自身もうまくいかないことがたくさんあったりして、そういう経験、時間が自分にとって大切だったと、今は素直に思えているので。

―シンプルですが、パワフルなメッセージですよね!

そういう時間がハングリー精神を養って、悔しさが今につながって、今できる活動への感謝に変わっていたりするので、「後は上がるだけ」って、すごく良いメッセージだなあって思います。それを掲げていたバスターも落ち込む時があって、彼を奮い立たせるのがエディなんです。優しい言葉をかけてあげて、手を引っ張ってあげる。その二人の関係性にも感動して、グッときますよね。胸打たれるものがあります。

―それと映画では歌のパワーで救われる過程も描かれますが、似たような経験はありますか?

ちょっと違いますが、切ない恋愛をした時って心に残るじゃないですか。その時に流行った曲を今聞いても、切ない気持ちを思い出すみたいな(笑)。僕は若い頃、本当にMISIAさんの曲をよく聴いていたんです。『キスして抱きしめて』という曲が当時の僕には印象が強くて、今でも聞くと甘酸っぱい気持ちになるんですよね。だからMISIAさんとまさか今回ご一緒できるなんて、本当に感動的なことで。歌は、その時の気持ちまでパッケージしてくれるんですよね。

―今は歌う方の立場ですが、どういう気持ちでマイクの前に立っているのですか?

30代になった僕が、いまだにMISIAさんのエピソードを思い出すくらい印象に残っているということは、僕が歌っている活動もきっと誰かの想い出になっているんじゃないかなって思うんですよね。今は何か残ることを提供する側にいるんだって思うと、自分が作品を作る時は全力を注ぎたいなって思う。しっかりと想いを込めたいなと意識しながら、アーティスト活動をやっています。


(C)Universal Studios.

―劇中でも描かれていますが、素晴らしい音楽は、人の人生を豊かに変えますよね。

それくらい音楽の力って大きいもので、支えてくれるものですよね。自分もそういう存在になっていけるのかなって考えると、妥協はしたくないなって思います。エディ自身も前を向いて自分の生き方を見つけていくという役柄だったので、僕自身もエディとともにこの作品で、そういう気持ちを共にできました。きっと皆さんも誰かに感情移入したりして、そういう気持ちになれると思います。


MAMORU MIYANO 
宮野真守 1983年6月8日、埼玉県出身。劇団ひまわりで子役としての活動をスタートさせた後、2001年、NHK放送の海外ドラマ『私はケイトリン』のグリフェン役で声優デビュー。数多くの洋画の吹替え、アニメーション、ゲームなどで声優を務めるほか、ミュージカルや歌手としても活躍。2008年には、シングル『Discovery』でアーティストデビューを果たした。また、ライブ活動にも積極的で、2016年に行った全国ツアー『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2016 〜MIXING!〜』のツアーファイナルでは自身初の横浜アリーナ2Days公演を開催。新たなファンを獲得し続けている。

『SING/シング』
監督・脚本:ガース・ジェニングス
キャスト:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C・ライリー、タロン・エガートンほか
吹替版キャスト:内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斎藤司(トレンディエンジェル)、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、谷山紀章、水樹奈々、大地真央
3月17日(金)TOHOシネマズ スカラ座より全国ロードショー。
http://sing-movie.jp/