柔道・世界選手権代表の選考基準に新規定が発表された。

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 全日本柔道連盟の理事会が13日、都内で行われた。理事会では、夏に行われる世界選手権と年末のグランドスラム・東京(以下GS東京)の両方で優勝した選手に対して翌年の世界選手権代表として内定を与えることが決定された。

 この規定は、18年と19年の世界選手権で適用となり、20年に行われる東京五輪の代表選考については、この結果を踏まえてあらためて協議した上で決定される。

■これまでの選考方法との違いは?

 従来の選考基準は、「11月の講道館杯から始まり年末のGS東京、年明け後2月から行われる国際大会、4月の全日本選抜体重別選手権に出場した選手の中から、総合的に見てメダル獲得が期待できる選手」というもの。今までも、調整期間が約3カ月と短いこと、大会に出場したことで故障するリスクなどの懸念が、選手や指導者から指摘されていた。今回は、従来の選考基準から一歩踏み込んで選考基準を明文化した形となる。

 新規定で内定が与えられるのは、夏の世界選手権と年末のGS東京の両方で優勝した選手のみ。世界選手権は全7階級合計で最大9名まで出場、うち2階級は2名出場することができる。新規定において内定者が出なかった場合、2人目および負傷者が出た際の補欠については、従来通りの選考基準によって代表者が決定される。

■新規定によるメリット・デメリットは?

 理事会後に行われた記者会見には、金野潤強化委員長が出席。新規定について説明を行った。新規定によるメリットは、以下の2つが考えられる。

 1. 2大会連覇により、代表決定が約4カ月前倒しとなる 2. 世界選手権対策や調整に充てられる時間が大幅に増える

 世界選手権とGS東京の両方で優勝して代表内定を取ることができれば、出場する大会が大幅に減ることとなり、その分怪我のリスクも軽減される。また、強豪選手は各地域に点在している。世界で勝つためには対策が不可欠となるが、代表決定が前倒しとなることで対戦が予想される選手への対策や、本番までの調整をじっくりと行うことができ、万全な状態で大会を迎えやすくなる。

 一方デメリットは、下記が考えられる。

 1. 早期内定が出ることで緊張感が薄れる可能性がある

 この点については、代表内定後であっても、本人が2月以降の国際大会や4月の全日本選抜体重別選手権に出場を希望した場合、強化の一環として必要と認められれば出場が認められるので、そのことで緊張感を保つことも可能だろう。

 これまでの実績から考えて、世界選手権とGS東京の両方で優勝することは、かなりの高い壁。今回決定された新規定は、20年に行われる東京五輪に向けて、どのように機能するかの検証材料となる。