テレンス・マリックの新作「ソング・
トゥ・ソング」がワールドプレミア Photo by Matt Winkelmeyer/
Getty Images for SXSW

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 ハリウッドの豪華スターが共演するテレンス・マリックの新作「ソング・トゥ・ソング(原題)」が3月10日(現地時間)、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2017のオープニング作品としてプレミア上映された。上映には、映画祭など公の席にはほとんど姿を見せたことのないマリック監督は案の定欠席したものの、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ルーニー・マーラが舞台挨拶に登場、出産後間もないナタリー・ポートマンからはメッセージが届いた。

 SXSWは毎年3月に米テキサス州オースティンで開催される映画、音楽、インタラクティブを融合した世界最大級のイベント。1987年に音楽祭として始まり、毎年規模を拡大。去年は、バラク・オバマ前大統領やJ・J・エイブラムス監督がスピーカーとして登場するほどの重要イベントになっている。

 「ソング・トゥ・ソング」は、オースティンの音楽シーンを舞台としたラブストーリー。ソングライターのカップル(ゴズリング、マーラ)、音楽プロデューサー(ファスベンダー)、ウェイトレスの娘(ポートマン)らの複雑に入り乱れる恋愛模様を長回しを多用した美しい映像で詩的に描いた。

 マリック監督は、2作目の「天国の日々」(78)でカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。その後20年間の沈黙の後、「シン・レッド・ライン」(98)で復活し、ブラッド・ピット主演の「ツリー・オブ・ライフ」(11)でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高作品賞)を受賞。その後はコンスタントに作品を撮り続けているが、彼の作品に出たいという俳優は後を絶たない。ケイト・ブランシェットやミュージシャンのパティ・スミス、イギー・ポップなど脇役にも豪華な顔ぶれが揃(そろ)うところなどは、映画人から敬愛されるマリックならではだろう。

 本作で初めてマリック作品に出演したファスベンダーは、「彼との撮影は、映画で上級の即興をやっている感じ。学校に戻ってたくさん新しいことを学んだ感じで、夢のようだった」と語った。

 一方、プレミアの翌日に開催された本作のパネルディスカッションに、MCのリチャード・リンクレーター、ファスベンダーとともに姿を見せたマリック監督は、その独特の演出法について聞かれ、「撮影しているときは最終的にどんな作品に仕上がるかよくわからない。編集にかかる時間が普通より長くなってしまうので、スタジオやスポンサーに辛抱しするよう説得しないといけない」と語った。(立田敦子)