次々と鋭い質問を投げかけた心くん&それに答えるサルー氏

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 今年の第89回アカデミー賞で、作品賞ほか6部門にノミネートされた映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』の実在モデルで、驚くべき体験を著した自叙伝の原作者サルー・ブライアリー氏が初来日し、13日、都内で行われたトークイベントに出席。花束プレゼンターとして登壇した天才子役、寺田心くん(8歳)から「5歳で迷子になった時、どんな気持ちでしたか?」と聞かれると、サルー氏は「ちょうど君くらいの背丈で、地面に叩きつけられたような気持ちでした。でも幸運にも、宇宙の力みたいなものがあって、命の危機を切り抜け、今、世界中の人たちに共感してもらっている。自分は勝利したんだという感じです」と自身の半生を語った。

 サルー氏の自叙伝「25年目の『ただいま』 5歳で迷子になった僕と家族の物語」が原作の本作。5歳のとき、インドで迷子になった貧困層の少年が、路上生活や人身売買の魔の手を切り抜け、オーストラリアで養子として心優しい夫婦の愛を受け、成長。やがて Google Earth を駆使して、自分の生まれ育ったルーツを探索し、25年ぶりに実の家族と再会を果たす感動の実話だ。

 サルー氏からの返答を聞いた心くんは「映画を観て、僕がこうなったらどうだろうと思うと、胸が苦しくなってしまいました」と感想を述べるとともに、5歳のサルーを演じ高く評価されている子役サニー・パワーの演技に触れて「サニーくんの演技、すごいですね。僕はもっともっと勉強しないとダメです」と大人びた表情で、同じ天才子役を称賛しきり。サルー氏も「彼の表情はとても深くて、心を動かされるし、観てワクワクします。これが何と初演技だなんて、信じられないですね」と笑顔で応じていた。

 さらに、心くんが「25年ぶりにお母さんに会ったとき、すぐにお母さんとわかったんですか?」と問いかけると、サルー氏は「母と一緒に何人か女の人が一緒にいたんだけど、会って何秒かのあと、この人が母だと確信できたんです。その時の気持ちは、言葉では表せないですね。私にも母にとっても、特別で大切な瞬間になりました」と述懐していた。(取材/岸田智)

映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』は4月7日よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国公開