映画が好きな方であれば、ここ20年近くの間に『ドン・キホーテを殺した男』(The Man Who Killed Don Quixote)というタイトルを目にしたり、耳にしたりしたことが一度くらいあるのではないでしょうか?

Slash Filmによると、さまざまな災難に見舞われたために製作が混迷を極めた、あの幻の作品がまた新たに動き始めたようです。

映画『ドン・キホーテを殺した男』は、『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ 』などの傑作、そして最近では『ゼロの未来』も記憶に新しい、テリー・ギリアム監督の作品(トップ画像は2014年に公開された本作のコンセプトアート)。

監督はコメディグループ「モンティ・パイソン」のメンバーであることでも知られていますが、『ドン・キホーテを殺した男』はありえない災難に次から次へと襲われながらも、企画から20年近く経った今の今まで生きながらえてきたという、なんだかモンティ・パイソンのスケッチのような、悪い冗談にも感じられる状況に陥った作品です。

もともと1998年にプレプロダクションが始まった『ドン・キホーテを殺した男』は、ジョニー・デップが主演で、ドン・キホーテ役はフランスの俳優ジャン・ロシュフォールが演じる予定でした。

撮影自体は2000年に始まったものの、撮影開始数日で騒音、洪水に見舞われ、馬に乗るはずのロシュフォールは椎間板ヘルニアを発症してしまいます。まさにマーフィーの法則が最大限に働いたかのような災難の数々に襲われたプロジェクトは暗礁に乗り上げ、製作が中止に。

この件は2002年にドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラマンチャ』としてまとめられています。以下は、CG Entertainmentが公開している予告編です。



製作が中止されてもギリアム監督はあきらめていませんでしたが、出演予定の俳優もコロコロと変わっています。

主演のジョニー・デップはユアン・マクレガーに、マクレガーからジャック・オコンネルに、そしてオコンネルからアダム・ドライバーへ変わりました。ドン・キホーテ役も、現在86歳のロシュフォールから同じく86歳のロバート・デュヴァルに、デュバルからジョン・ハートに、残念なことに先日亡くなったハートからマイケル・ペイリンに、ペイリンからギリアム監督作品の常連であるジョナサン・プライスに……と二転三転しています。

昨年9月にも撮影が始まるという話がありましたが、10月には延期の話が流れ、そして今になり、どうやら製作が再開したようです。Slash Filmによると、関係者たちのSNSアカウントの様子からも撮影の再起を確認できるとのこと。以下は2000年から『ドン・キホーテを殺した男』への出演が予定されていた、映画『プレタポルテ』などで知られるロッシ・デ・パルマがInstagramへ投稿した、本作の脚本です。




IndieWireは「プロダクションに近いソース」が「撮影は今週始まる」とも報じています。

とはいえ、撮影が始まっても映画が完成するのかどうかはまったく別の話だと、『ドン・キホーテを殺した男』の歴史そのものが証明しているわけで……今度こそ完成までこぎつけてほしいところです。
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image: Gizmodo io9
Instagram, IndieWire via Slash Film, Instagram

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