韓国の最大規模のユニコーン「Yello Mobile」 IPOを控え最終準備へ

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韓国を代表するユニコーン企業「Yello Mobile」は、昨年11月にマッコーリー・キャピタルを引受先とする転社債型新株予約権付社債(CB)の発行を実施し、1000万ドル(約11億3000万円)を調達した。同社は2016年に4回(2月に2回、4月、11月)の資金調達を行っており、総額9300万ドルを全てCBで調達している。

「1000万ドルは、プラットフォームの構築やグループ会社のオペレーション支援、海外展開などに充当したい」と今回の資金調達を主導したケイ・キムは電話インタビューで述べている。

Yello Mobileは韓国やアジアを拠点とする約60社のスタートアップを傘下に持つ持ち株会社だ。これらのスタートアップは、ショッピング、メディア、アドテク、トラベル、O2Oの5つの分野にまたがっており、相互連携してシナジー効果を発揮している。

同社は2012年の設立以来、コンテンツ・キュレーションアプリの「Pikicast」やフィンテック企業の「JTNet」などを矢継ぎ早に買収したほか、Eコマースプラットフォームの「Yello Shopping Media」を立ち上げている。

また、金融サービス企業の「Yello Financial Group」と、デジタルマーケティングを手掛ける「Yello Digital Marketing」は姉妹会社に当たる。同社のCEO、Lee Sanghyuk(李相赫)は、フォーブスの「韓国の長者リスト50名」で34位にランクインしている。

Yello Mobileは、韓国のスタートアップの中で最も積極的に資金調達を行っている企業の一つだ。しかし、最近は業績に対して評価額が高すぎるとして韓国のメディアや投資家から批判を受けている。同社は、マーケティングと広告の費用が負担となって多額の営業損失を出しており、OTC(店頭取引)市場における株価は、2015年中間期から2016年中間期にかけて急落している。

Yello Mobileの過去4回の資金調達における評価額はいずれも40億ドルで、韓国のスタートアップではソフトバンクが支援するEコマース企業「Coupang」の50億ドルに次いで2番目に高い。姉妹企業のYello Digital Marketingも、昨年10月にシリコンバレーに本拠を置く「Partners For Growth」から1500万ドルを調達している。

Yello Mobileの既存株主であるSBIホールディングスと香港のDiamond Union Overseas Limitedは、今回のラウンドには参加していない。また、これまで長く同社を支援してきたシリコンバレーの投資会社、Formation 8は2015年に解散している。

Yello MobileはIPOを控えYello Shopping Mediaと経営統合の動きも進めている。同社は、複雑な組織構成をよりシンプルにするためにグループ内の組織再編を進めており、かつて80社あった子会社は現在は60社にまで減っている。今後はさらに3分の1にまで減らす予定だという。

「現在は、グループの管理をしやすくするために子会社同士の合併を進めている最中だ」とキムは話す。今回Yello Mobileに出資したマッコーリー・キャピタルはオーストラリアの投資会社で、通常はインフラや上場株式に投資をしている。キムによると、Yello Mobileが2015年初めに3000万ドルを調達した直後にマッコーリー側から打診があったという。

Yelloは差し迫った資金ニーズはなかったものの、大手投資会社のマッコーリーを株主に加えるメリットを考慮し、出資を受け入れたという。本件についてマッコーリーにコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。

Yello Mobileグループの従業員数は約3000人で、2015年は3四半期連続で黒字を達成している。Yello Mobileは、同社の事業をよく理解している投資家が多い韓国市場でのIPOを目指している。タイミングについては、経済環境を見極めた上で決める予定だという。