北朝鮮が、国連の制裁対象となっている船舶を違法運航していると安保理の北朝鮮制裁専門家パネルが指摘した。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

国連安保理1718制裁委員会の専門家パネルは先月、安保理に提出した報告書で、昨年3月に安保理が採択した対北朝鮮制裁決議2279号で制裁対象になった31隻のうち8隻が、船名を変え登録番号を新たに受け取る手法で、運航を続けていたと明らかにした。

専門家パネルはその一例として、昨年11月にロシアの港で書類の不備などの理由で停船措置を受けた「ソンピョン7」号を挙げた。

1984年建造の「ソンピョン7」号は、大きさなどが制裁対象である熙川(ヒチョン)号と同じだという。同じ年に建造された船の中で、同じ大きさの船はなかったため、専門家パネルはこの2隻が同一船であると確認した。

また、国際海事機関(IMO)の固有識別番号の代わりに、MMSIと呼ばれる「海上移動業務識別コード」と、コールサインとして通用している「船舶呼出符号」のみを用いていたと指摘した。

北朝鮮は制裁対象である熙川号に、ソンピョン7号という新しい名前をつけ、IMO番号を隠し、MMSI番号を利用して堂々と海外の港に出入りしていたということだ。熙川号は昨年3月、ロシアのボストーチヌイ港に入港しようとしたが拒否されている。

同様の手法で制裁対象船舶である鉄嶺(チョルリョン)号、セボ号、智慧山(チヘサン)号など8隻が、制裁逃れを行っていた。

報告書では、船舶以外の北朝鮮の制裁違反の実例について詳しく紹介している。

例を挙げると、カンボジアの旗を掲げてスエズ運河に向かっていた北朝鮮船舶から、輸出禁止品目である鉄鉱石2.3トンと、対戦車ロケット弾3万発が発見された。また、北朝鮮の武官が南スーダンなどと軍事契約を結ぼうとしていた状況も察知されている。

さらに、エリトリアへ向かっていた貨物船から発見された北朝鮮製の軍事装備などは、マレーシアに拠点を置く北朝鮮系企業、グロコムのものだと明らかにした。

一方で専門家パネルは、北朝鮮の銀行7行が、最近までスウィフト(国際銀行間通信協会)に加入しており、うち3行が、スウィフトとの取引を行っていることも明らかにした。