20代は“三振を恐れず”バッターボックスに立て!

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20代は、社会人としてのノウハウやスキルがまだ少ないので、仕事で失敗して傷ついたり、悩んだりすることが多いかと思います。でも、逆に20代だからできること、若さゆえの強みもあるのです。

私は大学生のとき、アパレル商社機能とITサービスを融合させたベンチャー企業を起業し、試行錯誤を繰り返しながらも、社員を40人抱えるまでに大きくしました。大学卒業後は大企業での実務も経験したいと考え、事業譲渡後、通信関係の上場企業に就職したのですが、「オレは会社を経営していたんだ。ほかの新人のヤツらとは違う」と内心、自信満々でした。

ところが、ベンチャー企業とは仕事の進め方がまるで違い、それまでのやり方が通用しません。ミスを連発するわ、作ったプレゼン資料をこき下ろされるわで、天狗になっていた鼻を完全にへし折られました。「会社から逃げ出したい」と思ったことも、一度や二度ではありません。

そうしたなかで「これは20代でやっていて、成長に役立った」と思えることがいくつかあります。

まず上司や先輩の目にとまるように、やる気をアピールすること。私は会社で新しいプロジェクトが立ち上がると、「やらせてください」といつも手を挙げていました。自信がなくて手を挙げられない20代が多いのですが、手を挙げないとチャンスは巡ってきません。

バッターボックスに立ったからには、空振りしても三振してもいいので、思いっきりバットを振ります。失敗するのは誰でも怖いのですが、失敗できるのは若いうちだけ。20代なら大目に見てくれるし、またチャンスをくれます。むしろ失敗をたくさんしておけば、その経験を生かして、30代、40代で失敗をせずにすみます。

■できる同期ではなく、目標はできる上司

ただし、闇雲に手を挙げても、バッターボックスには立たせてくれません。芸事で基礎をマスターできないうちは、次のステップに進ませてもらえないのと同じで、ビジネスのルールやマナー、業務の基礎知識が身に付いておらず、何の実績もない人間は、仕事を任せてもらえません。基本の仕事はきっちりこなせるように、日頃から準備をしておきましょう。

20代のときの目標は、「自分にはちょっと無理かな」と思うくらい、高めに設定することです。20代は伸びしろが大きいので、そのほうが大きく成長できます。たとえば、同じ会社の人を目標にするなら、「同期のできるヤツ」ではなく、「できる上司や先輩」にしましょう。ボクは、社内の先輩や上司だけでなく、取引先の管理職など社外からもできる人の長所を集めた、ハイブリッド型の「ビジネスパーソンの理想像」を作り上げ、それを目標にしていました。

達成したい夢や目標があるなら、公言します。そうすれば、自分を追い込むことになり、夢や目標が「やりたい(want to do)」ことから、「やらねばならない(have to do)」ことに変わります。

仕事でなかなか自信が持てないという20代の人にお勧めしたいのが、何か一つでも、小さなことでもかまわないので、ほかの人に負けない得意領域を作ること。得意なことで上司や先輩の役に立てば、名前を覚えてもらえ、目をかけてもらえるようになります。それが自分の自信にもつながります。

私の場合は、学生時代から関心があった「IPv6」の知識でした。当時は「IoT(モノのインターネット)」の概念すらなく、社内でもよく知らない人が多かったので、私の商品知識は上司や先輩から重宝されました。どうせ得意領域を作るなら、そうした誰も手をつけていない「ブルーオーシャン」な分野がいいでしょう。スマホやSNSといったITがその典型ですが、上の世代の人たちが不得手な新しい分野が狙い目です。

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吉山勇樹
ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO。大学時代にベンチャー企業の創業・運営に参画。卒業後は大手通信会社で新規事業開発を担当。その後、教育人材コンサルティング会社を経て独立。研修・講演などで活躍。
 

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(ハイブリッドコンサルティング代表取締役CEO 吉山勇樹 構成=野澤正毅 撮影=加々美義人)