12日、侍ジャパンのWBC2次ラウンド初戦(=オランダ戦)は、延長タイブレークの末、日本が8-6で勝利。5時間近い死闘は、9人のピッチャーを送り出した侍ジャパンが競り勝つ格好に。するとTBS「S1」では、野球解説者・野村克也氏が恒例のボヤき解説。毀誉褒貶に大忙しとなった。

初回から1番・田中広輔、2番・菊池涼介がそれぞれ初球と2球目でアウトになるや、野村氏は「今、野球も個人競技になっているから自分のことしか考えてない。1、2番もうちょっとボール見て、気配りが全くない」とさっそくボヤき節。4番・筒香嘉智が高目の球に手を出し、三振に倒れると「経験者から言やあ、なんであんな球振るの?4番バッターが」とダメ出しした。

だが、2回表、1アウト2、3塁から秋山翔吾の犠牲フライで先制点を獲得。「先取点は結構大きな効果があるんじゃない?」と切り出した野村氏。「これで次の回、0点で抑えると余計その1点が重くなってくる」と続けた。

しかし、その裏、スコープに同点ホームランが飛び出した。野村氏は「2アウトランナーなし。何に気をつけるかっていうと長打でしょ。キャッチャー小林に2アウトランナーなしで長打警戒って気があったかどうか。同じカーブ2球続けてたから。タイミング合ってなかったから、前のカーブに。キャッチャーからすれば、カーブ大丈夫だと思って(サインを)出したんだろうけど、カーブってよく飛ぶ。カーブは怖い」とまくし立てた。

3回表には、1アウト1、2塁から中田翔が3ランホームランを放つ。先ほどまでのダメ出しから、「見事なもんだよ。打ち損じだけど。クリーンアップの仕事してる」と目を細めた野村氏だったが、石川歩が連打を浴び、5-3と2点差まで詰め寄られた3回裏には「代える気配が全くない。球数とかイニング5回までとか決めてるんじゃないの?」というと、「これ、なんぼでも打たれるよ」と予告。事実、続くバレンティンに同点ホームランを浴びた。

その後、小林誠司のタイムリーで6-5とすると、必死の継投策で逃げ切りを図った侍ジャパン。8回、宮西尚生が広げた1アウト満塁のピンチに登場した増井浩俊は、オデュベルを相手に、なんと3球連続ストレート。小林の大胆なリードで空振り三振を奪うと、野村氏は先ほどの厳しいダメ出しから一転。「普通は真っ直ぐ3球行けないよ」とそのリードを称えたが、同氏の解説はここまで。9回裏、則本昂大が打たれ、再び同点とされた一戦は、11回表、延長タイブレークから中田のタイムリーで8-6に。最後は牧田和久が守りきった。