国会で野党の集中砲火を浴びる佐川宣寿理財局長(左)

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 奇々怪々の森友学園問題の元凶は何なのか。小学校予定地を視察した小沢一郎・自由党代表はこう語った。

「地中のゴミの含有率など不可解な算定で、お役所仕事とは思えない前例のないスピードで進んでいる。政治家の関与などの背景があったはずだ」

 背景と言えば籠池氏と安倍首相夫妻、稲田防衛相夫妻などとの“交友”が思い浮かぶが、それだけではない。実は、国有地払い下げの手続きが進められた2014〜16年ごろは、消費増税をめぐる政争で財務省がかつてないほど“惨敗”していた時期だ。ジャーナリストの山田厚史氏はこう分析する。

「安倍官邸に対して恩を売って巻き返しを図りたいという意思が働いた可能性は十分に考えられる」

“消費増税”による財政再建が宿願の財務省は、経産省主導の安倍政権下で苦杯をなめ続けてきた。安倍首相は14年11月、消費税率の8%から10%への引き上げを1年半延期すると表明した。16年6月にも「新しい判断」と称して増税をさらに2年半再延期。このときは麻生太郎財務相や稲田朋美政調会長(当時)らが「衆院を解散して信を問うべき」と主張して首相と対立した。

 こうした攻防の水面下では、財務官僚が政治家に必死の“レク攻勢”をかけていたという。財務省関係者がこう語る。

「安倍首相が外遊に出かけるとき、麻生財務相と財務官僚が飛行機に乗り込んでまでレクをしていた。稲田氏の元へも官僚が頻繁に通って説得し、結果として彼女は増税派に傾いたと言われています」

 劣勢の財務官僚が省を挙げて政権に取り入ろうとしていたときに、森友学園の案件が近畿財務局に持ち込まれていたのだ。官僚の“忖度”が最大限発揮されたことは想像に難くない。

「15年7月から16年6月まで財務事務次官だった田中一穂氏は第1次安倍政権で経産省出身の今井尚哉氏と共に首相秘書官を務めた人物。今、菅義偉官房長官と共に官邸を牛耳る今井氏に対抗するため、安倍首相の意向を忖度しまくる。“御用聞き”にならざるを得なかった。また、当時の理財局長だった迫田英典氏は安倍首相と同じ山口県出身で、国税庁長官に出世しました」(前出の財務省関係者)

 小沢氏とともに森友学園を視察した森ゆうこ参院議員(自由党)がこう語る。

「最後は官僚が“トカゲのしっぽ切り”で責任を押し付けられるかもしれない。視察のとき、近畿財務局の担当者らに『最後は死人が出ますよ』と話したら、本気で怖がっていました。公的な記録が破棄されても官僚は必ず“メモ”を残している。真相が闇に葬られる前に早く表に出してほしい」

(本誌・小泉耕平)

週刊朝日 2017年3月24日より抜粋