「持っている才能を売るようにしよう」指揮官・宮本恒靖の新たな挑戦がスタート

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 試合前、この日がプロの舞台での初采配となった宮本恒靖は「それぞれが持っている才能を売るようにしよう」と選手たちに声をかけた。「お客さんはお金を払っているのだから、それを出さない消極的なプレーでは意味がない。才能を見せよう、そしてチャレンジをしよう。チャレンジに対するミスは問題ない」。

 2017明治安田生命J3リーグが開幕し、宮本恒靖監督率いるガンバ大阪U−23はホームでガイナーレ鳥取と対戦した。宮本監督自身「結構、発破をかけた」と明かしたが、その言葉通り、前半は青と黒の若き才能たちが躍動する。守ってはプロ2年目のDF野田裕喜がキャプテンシーを発揮して最終ラインを統率。攻めてはキャプテンに任命されたMF森勇人を中心に、MF高江麗央やMF嫁阪翔太が積極的に相手ゴールへと迫る。宮本監督も「前半はこちらが予想していた以上の選手たちの集中力、気持ちの入ったプレーというのが多く見られた」と称賛した。

 しかし、後半に入り63分、67分と立て続けに失点を喫してしまう。「0−1になったあと、もう少しそのスコアをキープできていたら違う展開になっていたかもしれない」と指揮官は5分間での連続失点を悔やんだ。試合は0−2のままタイムアップ。宮本恒靖監督のJリーグデビュー戦は黒星となった。

 今季からG大阪U−23は育成カテゴリーの頂点という位置づけに変わり、3名まで使用できるOA枠も使わない方針を掲げている。この試合でもユースに所属するGK谷晃生やFW白井陽斗ら4名をスタメンに抜擢し、イレブンの平均年齢は18.45歳という非常に若いチーム編成で臨んだ。「今日みたいに若い選手がたくさん出て、しっかりと経験を積んでいく。1試合、2試合、3試合ではなく、シーズンを通してたくさん試合に出ることによって成長につながると思う」と指揮官は持論を展開した。

 G大阪U−23を率いる宮本監督にとって、トップチームで活躍する人材の輩出、J3で結果を残すという二兎を追いかける2017シーズンが開幕した。ユース所属選手を含めた若い選手たちだけで結果を追求することは「なかなか簡単ではない」としながらも、「ディテールの部分、勝負所というのは選手たちに落とし込みたい」と目標達成に向けた意気込みを語っている。

 現在トップチームでは、昨季までJ3を主戦場として戦ったDF初瀬亮、MF堂安律、FW高木彰人が出場機会を掴みつつある。指揮官・宮本恒靖のもと、今季は一体どんな選手たちがステップアップしていくのか。そして、昨季の9位を超える成績を残すことはできるのか。青と黒の血が流れる指揮官の新たな挑戦が始まった。

取材・文=三島大輔