【疑問】実車を見て事故車かどうかは判別できる?

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素人が見抜くのは難しいが「見ておいて損はない」ポイントはある

新車を買うときは関係ないけど、中古車を買うときに気になるのが、事故車かどうかということだろう。見た目はパリッとしているけど、乗ってみたら真っ直ぐに走らないし、ギシギシと変な音がしたりする。修理工場などで見てもらったら、事故車だった、というのじゃシャレにもならない。契約してしまったものを、返金してもらうのは難しく、結局泣き寝入りということも。

事故車を見抜く方法だが、まず最初に言っておくと「素人には難しい。でも見ておけるなら見ておいて損はなし」程度のものと思って読んでほしい。プロにとっては、素人をだますのは簡単なことだからだ。

そもそも、事故車とは修復歴ありのクルマを指す。詳しくは今回は説明しないが、骨格までダメージが及んでいるのを直すと修復歴ありになる。逆にただ付いているだけのフェンダーの交換などは修復歴ありにはならない。

まず見ておくのが、全体のイメージ。離れたところから、全体を見る。そして前後左右を見て、雰囲気に差がないを感じ取る。感じ取るというと曖昧だが、雰囲気というのはじつは大切で、大きな修復をしたクルマはどこか、パリッとしていない。

次に個々の部分へ。左右のフェンダーの裏を見てみる。サスペンションの付け根あたりなどなのだが、ここのパネルにうねりがないか。

さらにコーキング剤の塗り方にムラがないか。通常、左右同じ衝撃でぶつかることはあまりない(あったら全損扱いの可能性も高い)ので、片側と見比べて差があればパネル交換などを疑う。ただし、注意したいのはコーキング剤の塗り方が雑というのは純正でもありうるので、「汚い・きれい」だけで判断してはダメだ。

ラゲッジのゴムをめくったりトランクマットの下を見る

フロントではさらにのぞけるなら、ラジエーターグリルなどから中を見て、フレームの状態。とくに溶接部分がきれいかを見ておこう。ただフロントのフレームは交換しないと、修復歴にはならないので、考え出したらきりはないが。

そしてリヤ。ここはフロアの交換などをしていれば修復歴ありだが、パンパー裏のステーが左右同じで、曲っていないか。さらにトランクのカーペットを剥がしてパネルの状態を見る。ここでもシールの状態などを見るが、まわりのパネルのうねり方にも注目。うまく叩いても、新車のようにパンと張った平らな状態にするのはむずかしい。

さらに簡単なところでは、ラゲッジ開口部のゴムを外してみる。ここはただ挟んであるだけなのですぐに外れるのだが、耳状の取り付け部分が真っ直ぐではなく、曲っていたら直した可能性大だ。

もちろん試乗できたら必ずして、直進性はどうか。ステリングを切った場合、切れ具合は左右均等か。また異音や変な振動は出ていないかを見ておこう。これだけやるだけでもずいぶんとリスクは減らせる。

最後に良質な中古車を買いたいなら、結局はお店選びだ。きちんと説明してくれるかどうかが重要で、いいお店は不具合があった場合の対処なども説明してくれるはず。最近では第三者機関の鑑定士によるチェック済みをウリにしているところも増えてきた。素人では完全に見抜けないだけに、信頼できるところで買うのが一番の安心というわけだ。