ゴール前の混戦のなか、冷静に状況を見極めて、「ここに来たら入る、というポジション」でスタンバイ。シュートの場面も、難しい態勢ながらショートバウンドのボールを確実にとらえて右足を振り抜き、豪快にネットを揺らした。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J3リーグ開幕戦]相模原 0-1 長野/3月12日/ギオンス
 
 J3の優勝候補のひとつ、長野は相模原との開幕戦で1-0の勝利を収め、幸先の良いスタートを切った。
 
 決勝点を挙げたのは、4年目の勝又慶典。60分、東浩史の直接FKはポストに弾かれたが、そのこぼれ球を拾った松原優吉のリターンを、ダイレクトで叩き込んだ。
 
「みんなゴールのほうに向かったり、ボールウォッチャーになったから、逆に動いた」
 
 ひとりだけマイナス気味にポジショニングすると、折り返しがちょうど来る。「ここに来たら入る、というポジションを取っただけ」。一瞬の判断力と天性の得点感覚が凝縮されたファインゴールだった。
 
 得点だけでなく、前線からの精力的な守備でも貢献した。相模原は長いボールを多用してきただけに、プレスで上手くハメることはできなかったが、素早い寄せで相手のキック精度を乱すことで、DF陣たちの助けにもなった。
 
「蹴られているというより、“蹴らせている”という感覚でやれたと思います」
 
 J2昇格も目指す長野で、目標はもちろん、優勝に設定しているが、勝又自身、一プレーヤーとして期するものがある。
 
「ここ数シーズンはいろんなポジションをやってきましたが、今年はもう一度、FWとして、得点にこだわっていきたい」
 
 そう誓いを立てる勝又にとり、自らのゴールが勝点3を引き寄せただけに、理想的な開幕戦勝利となったはずだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)