中国では、日中交流史に関連する都市が多い。西安もその一つである。写真は西安の大雁塔。

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日中両国のメディアによると、中国国家観光局駐日本代表処が主催する「第2回中国ツアープランニングコンテスト」の表彰式が2月23日夜、在日本中国大使館で開催された。同コンテストには日本の大学生、専門学生計188人が参加し、寄せられた応募作品は196プラン、そのうち40人が受賞した。

これはとても有意義な活動だと思う。日本の若者が中国ツアーを企画することによって、現在の中国に興味を持つようになるはず。

もう一つ、日中関係に関する重要なイベントを紹介したい。昨年の年末、東京都内で中国の南京市による初めての日本人観光客向けのイベントが開催された。南京は中国の四大古都と呼ばれ、2500年の歴史を持つ都市である。日本人も中国人も記憶している日中戦争中には「南京事件」が起きるなど激動の歴史を歩んできた。2017年は日中の国交回復45周年の記念の年にあたる。イベントに参加した南京の観光業界の方々は「観光と歴史問題は矛盾しない」と意気込んでいるようである。2017年には「博愛の旅」というイベントが企画されている。これは、孫文が掲げた「博愛」の精神にもとづき、1000人の日本人を南京に招待して、交流を進めるというものである。

歴史から恨みを覚えるのではなく、未来を拓く勇気を貰うべきである。南京市が「日本人向け観光」をアピールすることに感服した。

2016年の訪日中国人旅行客は前年比で27.6%増加し、延べ637万人に達した。訪中日本人観光客は前年比で3.6%増加し、延べ258万人に達した。両国を行き交う人々は延べ900万人近い。

そう言えば、中国へ行く日本人観光客の人数が日本に来る中国人観光客の半分以下である。近年、日本内閣府の世論調査では、中国に「親しみ感じない」日本人が90%以上である。正直言って、私はいつもそういう世論調査に懐疑的な目を向けている。もし、世論調査を中国政府・中国人・中国市場・中国伝統文化・中国歴史・中国風景など項目に分けて実施したら、それぞれ好感度が随分違うと考えられる。中国を嫌いになっても目を背けないでほしい。

ネット時代になっても、一番いいコミュニケーションはやはり人と人が直接話し合うこと、それは私の持論である。また、外国のことを知るには、自分の目で確かめて、肌で感じるのがベストである。これから毎年、日中両国を行き交う人が1000万人に達したら、両国民の相互理解が徐々に深まると信じている。

中国では、日中交流史に関連する都市が多い。西安もその一つである。

記憶は14年前の2003年にさかのぼる。当時中国の西安にある西北大学での日本人留学生寸劇事件を思い出した。大学で開かれた文化祭で、日本人の男子留学生3人と教師1人が寸劇に出演した。不適切な衣装で卑猥(ひわい)な寸劇を行ったと見なされて、「中国を侮辱した」という不満が中国の学生たちの間に急速に広がり、間もなく数千人の学生デモが発生し、激しい反日事件に発展していった。

私がずっと気になることは、その後、3人の日本人留学生と教師1人は恐らく中国に行くことはもうないだろう。「帰れ」と言われて帰国した日本人留学生はかなり辛かっただろう。その例は明らかに日本人と中国人がお互いの文化を理解できていないことであった。そのような寸劇は日本の居酒屋の宴会で使えるものかもしれないが、中国の大学の文化祭に持ち込み唐突だと見なされるのは仕方がない。それにしても、当時の中国の政治や社会状況は閉塞であったと言わざるを得ない。

実は、その翌年の2004年、西北大学は中国唐時代に日本から中国に渡った1人の遣唐留学生が客死したことを記す墓誌を同市内で発見した。この留学生は奈良時代、阿部仲麻呂らとともに遣唐使の一員として中国に渡ったと見られる。中国で当時の日本人の墓誌が発見されたのは初めてである。墓誌は、ほとんど知られていない遣唐留学生の実態を伝えており、日中交流史の新たな側面を浮き彫りにする貴重な発見と言える。