ボランチでフル出場した小泉。豊富な運動量で敵を追い回し、鋭いプレスやタックルでピンチを阻止した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 [J1・3節]新潟0-2清水/3月11日/デンカS

【新潟0-2清水 PHOTO】新潟を2-0で破り、清水が2連勝!

 「ある程度、自分たちのペースになってチャンスも作れていたんですが、エアポケットと言うか、クロスのところで一瞬後手を踏んで決められた」

 新潟を率いる三浦文丈監督のこの言葉を借りれば、勝負の分かれ目はほんのわずかな差だったことになる。実際、シュート数は9対7と大差はなく、チャンスの数もほぼ互角。最終ラインを牽引した大野和成の「ワンチャンスでやられてしまったので非常に勿体なかった」というコメントからも、やり切れない気持ちは伝わってきた。

 ただ、勝負事である以上、結果が出なければ話にならない。いくら相手と互角以上の内容だったとしても、最終的に勝点3を掴めなければ意味がないのだ。そんな想いを込めるように、今季から副キャプテンを務める小泉慶は、この試合をこう振り返った。

「ホーム開幕戦だったし、少なくとも引き分けで終わらないと。ただ、負けてしまったのが現実で、こういう試合で勝ち切れないのが新潟の悪いところ。1失点目の場面にしても、隙があった。相手はその点、したたかだったと思う」

 新潟に加入して4年目の小泉に言わせれば、ここぞで勝負弱さを覗かせてしまう“悪癖”は見慣れた光景なのだろう。半ばウンザリしたような口調にも見えたのは、同じ過ちを繰り返してしまった悔しさがあったのかもしれない。

 もっとも、個々のパフォーマンス自体は決して悪くはなく、それは小泉も同じ。自身の持ち場としたボランチで攻守に駆け回り、中盤で執拗に敵へプレスをかけて力強くボールを奪い取り、そこから縦への推進力を発揮して前線にも顔を出した。

 最大の見せ場は58分のプレーだ。左サイドから山崎亮平が仕掛けて放ったシュートをGKが弾くと、ボールは小泉のもとへ。左足で思い切り振り抜いたボールはしかし、クロスバーのはるか上を越えてしまった。

「1点の重みは分かっていたし、自分を含めてチャンスを仕留める力を付けないと。こういうゲームで決められる選手が良い選手だと思うので」

 背番号を25→8へ変更した今季は、そのプレーや言動に昨季にはなかった自覚が芽生えている。ホーム開幕戦は残念な結果に終わったが、スタジアムに駆け付けたファンたちはきっと、懸命に走り回った小柄なMFの勇姿に拍手を送ったに違いない。

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)