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多くの人の命をのせて世界を飛び回る旅客機は、ひとたび緊急事態が発生すると迅速で的確な対応が不可欠。そんな対応を確実に行うために、飛行機会社では乗務員を対象とした訓練が毎日実施されています。GIGAZINEでは2012年にJAL(日本航空)の訓練施設に潜入して取材していたのですが、現在はこの施設が一新されてより密度の濃い訓練が行われているとのこと。今回は、再びそんな訓練の現場に潜入して、さらには実際に訓練の一部を体験したり、非常用に用意されている食糧を食べたりできるチャンスが巡ってきたのでいろいろと取材してきました。

羽田空港にあるJALの訓練施設にやってきました。東京モノレール「新整備場駅」から徒歩10分ほどという、一般の人はあまり足を向けることの少ない場所に位置しています。



施設の名称は「テクニカルセンター」および「教育センター」。



建物に入り、長い通路を経てたどり着いたのが、この施設。小さめの体育館ほどの広さ・高さのスペースに、飛行機の胴体を模した設備と、ドア部分から展開されている脱出用スライドが合計で3本据え付けられています。



下に立つと見上げるほどの大きさ。実際の飛行機に搭載されているものと同じスライドを使って訓練が行えるようになっています。



今回の説明ならびに実演を行ってくれた、日本航空 客室教育訓練部 安全訓練グループの菅野 美紀子さん(左)と藤原 万利子さん(右)。お二人とも客室乗務員として勤務され、乗務員の安全訓練にも携わっている方です。



そして、同グループの高木 裕美子グループ長からもお話を伺いました。



この施設では、客室乗務員の訓練として「新人訓練」「型式訓練」「復帰訓練」「定期救難訓練」の4つの訓練を実施しているとのこと。新たに日本航空に入社してきた新人さんが客室乗務員になるための訓練と、機種ごとに必要な訓練、そして産休や病気療養などで現場を離れていた乗務員が復帰するための訓練、そして定期的に受けることが定められている訓練が行われているというわけです。

◆新人訓練

・新入社員を対象にした訓練で、入社してすぐ訓練が開始される

・まずは国内線を対象とした訓練(約2か月)

・一連のカリキュラムの中で、早い段階で救難訓練を行う。これは日本航空の客室乗務員としての自覚、命を預かる保安要員であることを自覚させるため

・救難訓練をクリアした者だけが、制服を着てサービス訓練に入ることが許される

・国内線に乗務して1年から1年半後、国際線に乗務するようになる。その際には追加で約1か月の訓練を実施してから実際の乗務に入る

・対象となるのは国内外のJALグループの客室乗務員

◆型式訓練

・日本航空が運航している4種類の飛行機「777型機」「787型機」「767型機」「737型機」ごとに行われる訓練。2019年からは「A350型機」がこれに追加される

・新人の客室乗務員に対してはまず777型機、767型機、737型機の訓練が行われる。その後、国際線に入るときには787型機の訓練を行う

・目的は、機体の大きさの違い、ドア形状の違い、脱出誘導の手順の違いを学ぶこと

・通常は1日〜2日で訓練が実施され、テストを受けて合格することでその飛行機に乗る資格を得られる

◆復帰訓練

・産休、病気、怪我などで半年以上乗務から遠ざかると客室乗務員の資格が失効するので、これを回復させるための訓練

・休んだ期間によって変わるが5日間程度の訓練を行ってから乗務に戻る

◆定期救難訓練

・年に1度、客室乗務員としての資格維持のために定められている訓練を実施

・誕生月を基準月として前後1か月、この3か月の間にこの訓練を受けなければならない

・実技と筆記試験が行われる

・対象となるのは、JALグループの全ての客室乗務員で、国内およそ5000人+海外1000人=合計6000人強

・訓練の際には必ずスライドで滑る脱出を体験し、着水時を想定したボートにも乗る

また、以上の訓練に加え、2016年11月からはグループ内の地上勤務者に対しての社員脱出研修が順次展開しており、JALグループ全社員・2万人に対して2017年4月から本格的に開始する予定となっているとのこと。この中で参加者は、出張やプライベートで飛行機に乗ったときに「援助者」としてどのように脱出誘導を手助けできるか、ということを学びます。座学では着水時、急減圧時、シートに取り付けられた個人ディスプレイから発煙した場合などの対応を学び、その後の実技で緊急時に実際にどのように行動するのか、そして他の乗客に「手荷物を持って出ないこと」を周知させること、客室乗務員と同じように声を出して「パニックコントロール」を行うこと、そして脱出時に乗客をスライドに誘導し、脱出後はスライドから遠く離れるよう促す、といった内容を学ぶそうです。

◆体験1/4:実際に脱出を体験してみた・その1「海上脱出のケース」

お話を伺ったところで、実際に脱出の手順を体験してみました。まずは、機体の横に水が張られたプールを使って、飛行機が着水したときに救命胴衣を着用して脱出するケース。プールの上には、あらかじめ空気を入れて展開したスライドが浮かべられています。



なお、この装備は「スライド」と略して呼ばれることが多いのですが、正式な名称は「スライドラフト」というものだそうです。これは、脱出時に滑る「スライド」と、ボートのように水に浮かぶ「ラフト」の両方の意味がある名称です。

機内から「スライドラフト」を見るとこんな感じ。実際に着水した際には、このような光景を目にすることになるのかも。



脱出体験が始まる前に、一人に一着ずつ救命胴衣が手渡されます。「できればコレのお世話にはなりたくないな……」と思いつつ、普段は経験できないシチュエーションに対する自分の期待も膨らみます。



実際の飛行機と同じように作られた施設内には実機と同じシートが使われています。そしてこの台は訓練の際に音響や照明をコントロールして、実際の状況に近い環境を作り出す装置。後述しますが、スモークを焚くことで機内に煙が充満した状況を作り出すことも可能です。



ということで訓練(体験)がスタート。室内のディスプレイには、コンピューターによる着陸シーンのシミュレーション映像が流され、同時にエンジン音などのノイズがスピーカーで再生されます。



無事に滑走路に接地……と思ったら、急に滑走路を逸れて空港の敷地を飛び出して海の中へ突っ込んでしまいました。この時もスピーカーからは「ズゴゴゴ」と明らかに異常であることがわかる騒音が流されます。CAさん用のジャンプシートに座る藤原さんは乗客に大きな声で「頭をさげてー!Heads Down!」と、緊急着陸時の姿勢を取るようにアナウンス。これは「シャウティング」と呼ばれる緊急時の行動の一つ。



機体がストップすると、藤原さんが今度は「大丈夫!おちついてー!Stay Calm!」と、日本語と英語で乗客にむけてシャウティング。マイクが使えないために地声を出すことが求められるので、非常に大きな声です。



そして、シート下に置かれている救命胴衣を取り出すように促します。この時、機内は緊急時を再現するために照明が暗く落とされています。



実際に着用する手順を示します。



着用のしかたは、穴の開いている部分に頭を通し、2本のベルトを腰に回しておなかの部分にある金具に装着。その状態で余っているベルトをギュッと締めることで着用は完了。機内には赤ちゃん用の救命胴衣も用意されています。



なお、この段階で救命胴衣を膨らませることはよろしくないとのこと。理由は、救命胴衣が膨らむと頭の動きが大きく制限されてしまい、足元すら確認できなくなってしまうことで、避難時に脚をつまずいて転倒してしまう危険があるためです。この危険を避けるため、脱出時は必ず扉の前まで来てから救命胴衣を膨らませることが大切だそうです。

次に、藤原さんは扉の窓から外の様子を確認し、ドアの外で火災などが発生していないことを確認。



そして、ドア上部にあるレバーが「アームドポジション」にあることを確認。これは、ドアを開けた際に自動でスライドが膨らむようにすることを確実にするための作業。よく、飛行機の着陸時に「客室乗務員はドアモードをディスアームド・ポジションに変更してください」とアナウンスが流れるのは、このレバーを「ディスアームド」にすることでスライドが開かないようにするためのもの。間違って「アームド」のままドアを開けてしまうと、空港の駐機場でスライドが「バン!」と開いてしまうという珍事件に発展してしまいます。



ここでふと、扉に白黒模様っぽい妙なマークがあることに気がつきました。



これは、ボーイング787型機に採用されている電気的に窓の遮光率を変化させる「電子シェード」を操作するためのボタンでした。このシミュレーター装置には本物の電子シェードは装備されていないのですが、よりリアリティを高めて訓練の質を高めるために、本物そっくりなボタンが描かれているというわけでした。



By Spaceaero2

ドアの確認をすませたら、大きなレバーを回してドアを手動で開けます。



ドアが開いたらスライドが自動で拡張するので、その様子を指さしで確認。この施設ではあらかじめスライドが膨らんでいますが、手順を追って訓練は行われます。



万が一、スライドが開かない場合でも、手動で展開させるための引っ張りベルトが装備されているそうです。



スライドが十分に開くまで、手を伸ばして乗客が外に出ないようにブロック。



スライドの準備が整ったら、いよいよ救命胴衣を膨らませて脱出です。扉の前に立った段階で左右のヒモを引くと「パシュー!」という音とともに、一瞬で救命胴衣がパンパンに膨らみました。



横から見るとこんな感じ。膨らむときには少しヒンヤリした冷気が感じられ、しっかりとバッグが膨らんで予想以上に首や顔が押さえつけられます。



救命胴衣を膨らませた状態で次々にスライドに乗り込みます。最終的にこのスライドはボート(ラフト)として使えるようになるのですが、脱出時に手荷物などを持っていると、ボートに乗れる人数が少なくなってしまいます。そのためもあって、脱出時は荷物を持って出ないことが強く求められます。



ボートが定員に達したら、スライド側からこのロープを引っ張ると……



機体との接続が切れて、スライドがボートに変身。



この時の様子を機内の視点から。クルーがロープを引っ張ると……



接続が外れ、ボートが機体から離れました。なるべく機体からボートを切り離さないと、沈み行く機体とともに沈没する危険もあるので、迅速な作業が求められます。



これで、乗客と客室乗務員を載せたボートが大海原を漂い始めたテイになりました。次の作業は、救助を待つまでの間に必要な道具の準備。ボートの先端には「SURVIVAL KIT」などと書かれた部分があるので……



ここにつながっているロープを引っ張って、黄色い袋「サバイバルキット」を引き上げます。



後述しますが、この中にはサバイバルに必要なさまざまな道具や食料、医薬品などが収められています。



また、ボートにはこのようにオレンジ色の浮き輪のようなものも装備されています。



この浮き輪にはロープが取り付けられており、別のボートに向けて投げて引っ張り合うことでボートを連結したり、誤って海に落ちた人を助けるための浮き輪として使われるものだそうです。



ちなみに、実演の際に使用した救命胴衣は、膨らむ部分が2つある「デュアルチャンバー」と呼ばれるタイプですが、現在の主流はこの「シングルチャンバー」と呼ばれるタイプ。シングルチャンバーでありながら、浮力は従来のデュアルチャンバーよりも優れているとのこと。



救命胴衣を膨らませるために、二酸化炭素を充填したボンベ「CO2」が取り付けられています。ロードバイク乗りならピンと来たであろう、外出先で自転車の空気を入れるときに使われる、携行用のボンベ通称「CO2」と同じタイプのものです。



また、青い部分には電源が内蔵されており……



LEDを光らせることで、夜間でも発見されやすくするための工夫が施されています。



サバイバルキットの中には、このようにボートにテントを張るための装備も含まれているとのこと。



オレンジ色のテント屋根を張り、中央に柱を一本立てることで、中の人を太陽の直射日光や雨風から保護するというもの。快適性こそそれほど高くはないかもしれませんが、生存に必要な環境だけは確保することはできそう。



また、サバイバルキットにはこのように黄色いバケツが備えられています。



このバケツを、テントの屋根から伸びる管の下に置くことで、降ってきた雨を集めて真水として利用できるようにします。このように、とにかく海上に不時着して漂流してしまったとしても、救助が到達するまで生き延びるための装備が実は飛行機には搭載されているというわけです。



サバイバルキットの中には、こんな感じの装備品が収められているとのこと。



軽微なキズの時に使うバンドエイド(1)、水をかけると膨らむ圧縮スポンジ(2)、明かりとして使うフラッシュライト(7)、生き延びるためのさまざまな方法が書かれているサバイバルマニュアル(8)



雨水をためるバケツ(3)、指示などの際に使う笛(4)、ラフト(ボート)の使用ガイド(9)、太陽光を反射して救助隊に存在を知らせるためのミラー(10)



ボートに穴が開いた際に修理するリペアキット(5)、海水に浸けると周囲の水の色が変化して居場所を知らせることができるダイマーカー(6)、水(11)、ナイフ(12)、水を浄水するタブレット(13)



救助隊に場所を知らせる信号炎管(14)、キャンディ(15)、船酔い止め錠剤(16)



ポキンと折ると発光する、いわゆる「サイリウム」のようなケミカルライト(17)、やけど用の軟膏(18)、殺菌済み綿棒(19)といった物資がサバイバルキットの中には備えられています。



サバイバルマニュアルの記載内容は、かなり本格的な「サバイバル術」となっており、このように「毒があるので食べてはいけない魚」がイラスト付きで紹介されていたり……



土に穴を掘って、ビニールシートに石などを載せて真水を得る方法などが記載されており、ラフトが無人島に漂着した場合でもなんとか生き延びるためのノウハウが満載でした。



飛行機が海などに着水した際の脱出手順はこんな感じでした。次は、陸上に不時着した際の脱出の手順を体験してみました。

◆体験2/4:実際に脱出を体験してみた・その2「陸上脱出のケース」

陸上脱出の際には、展開したスライドを滑り降りて機外に脱出することになります。この施設では、機内に煙を充満させることで、不時着時に火災などが発生した際の雰囲気を再現できるようにもなっています。



白い煙が充満した訓練用モックアップの内部。もちろん実際の煙ではなく、コンサートなどで使われるスモークが焚かれているので、機内には独特の甘い匂いが漂います。



先ほどと同様、「大丈夫!おちついてー!」などのシャウティングを行った後にドアを開ける藤原さん。今回開けているドアはボーイング777型機のもので、このモックアップには出口ごとにさまざまなタイプのドアが装備されているそうです。



煙をシミュレートすることで可能になるのが、発煙時の乗客誘導のリアルな訓練です。床から数十cmの高さは煙が届かない部分になるので、客室乗務員は床にかがみ、懐中電灯を使って「ドアはこっちですよ〜!」と乗客に脱出を促します。また、通路に面しているシートは脚の部分が光っているのもわかります。



この時、併せて小さなメガホンなども用いられます。とにかく緊急事態発生時は迅速な脱出が求められるので、さまざまな道具を駆使して乗客を誘導するように訓練が行われます。



扉のところまで来たら、いよいよスライドで滑り降りる瞬間が到来。意外と高さがあることに「お、おう」と尻込みしてしまい、滑るのをためらってしまう乗客がいるのも思わず納得。



意を決して脱出!両手を握って肩の高さに上げ、前傾姿勢を保って滑り降ります。この時に体を後傾させてしまうと、スキーと同じ原理でスピードがつきすぎ、スライドの下で転倒してしまうなどの事故につながるとのこと。もし、スライドを滑る機会に遭遇したときは「体は前傾」と言いきかせて滑ると良さげ。



ここで藤原さんが「プロの技」を披露。軽く助走して……



ピョンと軽くジャンプして、そのまま空中で脱出姿勢を取ります。



そのままスライドに着地し、姿勢を保ったまま滑り降りました。



別角度からもう一度。「ひょい」と飛び上がり……



そのままスライドを滑り降ります。



着地したらすかさず……



「テテテッ」と駆け足でスライドから遠ざかります。これは、危険のある機体から遠ざかることと、次々と滑ってくる他の乗客の邪魔にならないようにするために必要な動作です。



激しい動きになるので、訓練エリアにはマットが敷き詰められており、訓練中の事故を防ぐようになっていました。



◆体験3/4:脱出ではないけど緊急時を想定した訓練・酸素マスク

上空を飛行中の飛行機に起こるトラブルとして想定されているのが、機内の気圧が急激に下がる「急減圧」と呼ばれる事態です。高度1万メートル付近を飛ぶ飛行機で急減圧が起こると呼吸ができなくなり、ほとんどの人は十数秒で意識を失ってしまいます。そのため、旅客機の座席の頭上には必ず酸素マスクが備え付けられており、急減圧が発生した際に上からマスクが降りてくるようになっています。



酸素マスクが降りるとこんな感じ。このシートの場合は2列に対して2個のマスクが降りてきましたが、ほとんどの座席では「実際の列プラス1」のマスクが備えられているとのこと。これは、親に抱きかかえられた幼児が座っているケースを想定したものとのことで、そのような場合にも必ずマスクが行き渡るようになっているそうです。



マスク装着のイラスト付き



マスクには色んなタイプがありましたが、このマスクは吸気と排気などで3つの弁がついていました。



◆体験4/4:非常時に備えられている「救難食糧」試食レビュー

さまざまな装備やサバイバルキットに加え、旅客機には非常時の栄養補給を行うための「救難食糧」が搭載されています。普段は目にすることはありませんが、非常事態が発生すると客室乗務員はこの缶に入った救難食糧を持って飛行機から降りることが定められているとのこと。



中には、大小2種類の食糧が5個ずつ入っています。これで5人分。



内訳は「ビスケット」と「ゼリー」の2種類です。



食糧はアルミの袋で真空パックされており、製造から3年間の消費期限が設定されています。



ビスケットを開封してみました。見た目はビスケットというよりも、セラミック製のタイルのようにも見え、パッと見は食べものには見えないかも。



しかしこれが緊急時の大切な栄養源になるというわけ。味は想像以上に甘い味になっており、効果的にカロリーを摂取できそうな様子が感じられます。口に含むとボロボロっと砕けてガリッとした細粒感のある食感となっており、「ビスケット」というよりも「和三盆」や「ちんすこう」にも似た食べ物でした。ちなみに原材料は小麦粉、砂糖、食用植物油脂、脱脂粉乳、ピーナッツ粉。



一方の「ゼリー」ですが、これは普通のゼリーを想像していると完全にハズレ。半透明のゼリー状の板の間にゴマを主とする食材が挟まれています。ほとんどの人は食べたことがないであろう食べ物ですが、実際に食べてみると甘みが強めですが意外と和菓子のような味わいで、特に違和感もなく食べることができました。むしろ、香ばしいゴマの風味が跡を引いて余韻を感じさせる味わいとなっていました。原材料は砂糖、水あめ、寒天、ゴマ、オブラートとのこと。



1個あたりの栄養成分はこんな感じ。ビスケットは1個で240kcal、ゼリーは59kcalで、1食分で合計299kcalとなっています。



「こんな食べ物もあるのか……」と思っていろいろ調べてみると、実はなんとこの食糧と同じものが市販されていることがわかりました。パッケージにも記載されている萬有栄養株式会社が製造している製品で、同じ中身の非常食「救難食糧ER5食入 SOLAS条約準拠」を1缶あたり1749円で購入することが可能。生粋のヒコーキマニアにピッタリなアイテムである以上に、災害に備えるために一般家庭に常備しておく食糧としても最適な一品かもしれません。

救難食糧ER5食入 SOLAS条約準拠



そんなこんなで訓練の現場を目にしていると、あっという間に予定の時間が終了。普段は見ることができない施設を詳細に見ることができたほか、「旅客機の安全な運行のためにここまでの訓練や装備が調えられているのか」ということを実感するとともに、JALをはじめとする航空会社が「お客様の安全が第一」と掲げるモットーへの説得力が一段と増した取材でした。以下の様子は取材中に行われていたJALグループ職員向けの研修の風景。このようにして、グループ全体の意識を高める取り組みが行われているというわけでした。