【意外と知らない】エンジン排気量の数字が中途半端な理由とは?

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ピッタリに作ることは難しい上に意味も少ない

クルマ好きなら、スペックを眺めてあれこれチェックしたりするだろう。スペックこそ、そのクルマを表わし、さまざまなことがわかる公式データだ。しかしじっくりと読み込むと疑問に思うこともいろいろとあったりする。

たとえば排気量。1リッターや1300ccといっても、実際のところは998ccだったり1256ccだったりする。概算で1リッターなどと読んでいるのはわかるのだが、なぜ中途半端な数値になるのだろう。また1リッターなら、キッチリと1000ccに作らないのだろうか。

いろいろと取材をしたが、答えはまず「キッチリとした数字にする必要がないから」。1000ccに合わせても、数字的にきれいに見えるだけで、それ以上の効果もないし、数字の美しさのために開発陣はエンジンを作っているわけでもない。

また、キッチリと合わせることはむずかしいというのもある。シリンダーは円柱なので、断面積がかなり細かい数字というか、端数の出る数字になってしまい、結果として容積も同様になる。

こうなるとぴったり1000ccみたいな数字にはならなくて当然ということはわかるだろう。もちろん税金は排気量で決められている部分もあるので、正確な数字はその点を守らなくてはならない。

以前であれば1250ccなのに1.3リッターと呼んでいるクルマもあったが、最近はさすがに極端な切り上げみたいな例は少なくなってきた。ここまで極端だと少し混乱することもあるが、ユーザーがパッと見て、車格が想像できればいいというのは根底にあるだろう。