撮影で仲を深めた広瀬すず&中条あやみ

写真拡大

 2009年3月、ごく普通の女子高生たちがわずか3年の特訓を経て、全米チアダンス大会を制覇するという偉業を達成。まさに“奇跡”と呼ぶに相応しいこの実話を基にした映画「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」に出演した広瀬すずと中条あやみは、現在“「チア☆ダン」ロス”の真っただ中だ。「撮影が一生続けばいいのに」と広瀬が話すように、2人にとって本作への参加は、登場人物たちと同様に青春のひと時を捧げた忘れがたい時間だった。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)

 福井商業高等学校のチアリーダー部“JETS”が、熱血教師の指導を受け、多くの苦難を乗り越えながら全米チアダンス大会制覇を果たした実話を、「俺物語!!」の河合勇人監督が映画化。平凡な女子高生・友永ひかり(広瀬)、部長の玉置彩乃(中条)ら“JETS”メンバー24人が、“地獄先生”の異名を持つ教師・早乙女薫子(天海祐希)と共に、全米チアダンス大会に向けてまい進するさまをつづる。

 甘酸っぱい恋模様から部員たちの友情と葛藤、さらに笑いのエッセンスを絶妙な塩梅でちりばめた脚本が光り、常に見る者の感情を揺さぶる本作。「笑って泣ける映画ってこういう作品のこと」と台本にのめり込んだ広瀬は、あるシーンでは「本当に悔しくて泣いた」として、その頃から自分が「ひかりと同じトーン」で感情移入ができるようになったという。中条も広瀬の言葉に深く頷き「最初に台本を読んで思ったのは、よくよく考えると、これって本当にあった話なんだよなってこと。まさに青春ミラクルストーリー」と驚きを隠せない。

 映画の役どころと同じく固い絆で結ばれた広瀬と中条は、本作が初共演。互いに感心する部分も多かったようで「私はかなり感覚タイプの人間で、現場ではあまり台本を読まないんです。だから、台本を熟読しているあやみが『どう読み込んで、どう考えているだろう』って思ってて。その姿を現場で見るのが楽しみでした」(広瀬)、「私は逆にすずの感覚的な部分かな。自分は考えて考えて行動に移すタイプだから」と次代を担う女優同士として刺激を受けた現場になった。また、さかのぼること撮入の半年前。チアダンスの練習を見学した2人は、自分たちがこれから挑もうとする世界に大きな衝撃を受けたようだ。

 広瀬「(初めてチアダンスを目の当たりにして)無理だなと思いました。これはさすがに限度がある。どうごまかすんだろうってことばかり考えていて・・・。『無理無理無理』って、こっそり悲鳴をあげていましたね(笑)。全然スタートが見えなかったです」

 中条「私も(笑)。ストレッチを見た時点でそう思った。自分たちが踊れる姿なんて全く想像がつかなかったんです」

 4つのダンスから構成され、技術や振り付け構成だけでなく、チームとしての一体感や表現力も重要になるチアダンスの奥深さを目の当たりにした2人は、前倒しで猛特訓を開始。かつて運動部を経験していた2人でも「ここまで激しく体を動かす役は初めて」だったようで、広瀬に至っては6時間に及ぶ集中トレーニングを敢行。その努力は、劇中で大輪の花を咲かし、仲間たちと披露する2人の流麗なダンスに思わず息をのむ。

 物語さながら“チアダンス漬け”の日々を過ごしていた広瀬と中条にとって、天海の存在は精神的支柱だった。天海扮する早乙女先生は「前髪禁止! ネイル禁止! 恋愛禁止!」というスパルタ指導で生徒たちから反感を買うが、その態度の裏側には深い愛情がある人物。天海は自身のポジションをしっかりと把握し、キャストたちと接していた。

 広瀬「現場ではまさに早乙女先生そのもの。役柄をきちんと理解されていて、私たちと過度にコミュニケーションをとっていませんでした。撮影が終わった今の方がお話するくらいなんです。だから劇中できちんと対立でき、それでもついていきたいと感じられる存在になったんです」

 中条「撮影の間、いつのタイミングで休んでいいかわからなかった時、『いっぱい踊ったんだから座りなさい』って言ってくれたり。皆のことをきちんと見てくれていました」

 クライマックスとなる全米チアダンス大会の撮影期間は、広瀬いわく「怒とうの日々」。半年前からダンスに取り組み、撮影期間中も練習を重ねてきたにも関わらず「何百回も同じダンスを踊ってきたのに、次の日起きれなくなるほどの筋肉痛になった」という。「アドレナリンが出過ぎて、どのシーンから撮ったか全然記憶にない!」と笑いながらも、山崎紘菜、富田望生、福原遥ら同世代の女優たちとの共演について「本当に皆とやれてよかった。24人の女の子が集う環境なんて中々ないですから」と振り返っていた。