新天地の磐田で得た充実…中村俊輔が見たサックスブルーの景色

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 サックスブルーのユニフォームを着た中村俊輔の目の前には、これまでに見たこともない景色が広がっていた。開始5分に真骨頂であるFKで移籍後初ゴールを決めて、振り返った時だった。

「(大井)健太郎がサポーターのほうに見えて、『ああ、いい景色だなあ』と思った」

 ちょっと薄めの空色で染まった、NACK5スタジアム大宮のアウェイ側ゴール裏。それを眺めながら右手で何度もガッツポーズをし、大井とがっつり抱き合うと、チームメートたちが一気に集まってきた。そして大きな輪になり、喜びを爆発させた。

「『ああ、新しいチームに来たんだな』という実感が、また違う形で感じられた」

 キックオフ直後にムサエフが持ち込んで得たFK。ボールの傍らに立ったのは太田吉彰と中村俊輔だった。「(距離が)近いし、GKって反応を早くしないといけないから、ヨシに『またいでもらえる?』って。そうしたらGKの動いた感じがすごく早かった。始まったばかりだし、いい意味で力が入っているってことだから、こっちかなって」。

 GKが左に動いたところで、中村は右に蹴ることを選択。そして、左足から放たれたボールはゴール右隅に突き刺さった。

 開幕戦でセレッソ大阪に引き分け、第2戦でベガルタ仙台に敗戦して迎えた3戦目。敵地でようやく手にした初勝利に「ホッとした」と吐露した中村。「たかが一勝ですけど、僕にとっては大きい一歩。入って良かった」。

 慣れ親しんだ3本ラインも、3色カラーもない。それでも中村はサックスブルーの輪の中で、久々に輝く笑顔を見せた。